【素材】漆喰と珪藻土何が違うの?~スタッフのひとりごと-其の159~

日進市で和モダンな木の家/サン工房岡崎スタジオ

 

漆喰と珪藻土、仕上がりの見た目や調湿性の他になにが違うのでしょうか。

知っているようで知らない自然素材の塗り壁について、詳しくひも解いてみました。

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目次

  1. 漆喰と珪藻土の原材料
  2. それぞれの特徴
  3. 採用事例と仕上がり

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漆喰と珪藻土の原材料

〇漆喰の原材料

漆喰は、その防火性や吸湿性などから、城や寺院、蔵など、命や財産を守る壁材として古くから使用されてきました。

愛知県内ですと、名古屋市市制資料館に使用されるなど歴史的建造物でも見ることができます。

漆喰は主に、消石灰※(水酸化カルシウム)を主原料にした塗り壁材で、

消石灰に糊(のり)やスサ(クラックを防ぐ役割がある繊維材)を加え、水で練ったものが漆喰となります。糊やスサは「つなぎ」として使用されています。

ちなみに消石灰とは、石灰岩を焼成し水を加えたもの。

その原料となる石灰岩は、太古の石灰藻や珊瑚、貝殻、石灰質プランクトン等、 炭酸カルシウムで構成される生物の屍骸が堆積・石化したものです。

日本では土佐灰(高知県)、野洲灰(栃木県)、美濃灰(岐阜県)、近江灰(滋賀県)、豊後灰(大分県)が主な産地です。土佐漆喰や沖縄漆喰など、その土地風土に合わせた漆喰も作られていきました。

 

〇珪藻土

珪藻という植物プランクトンの死んだ殻が沈殿して化石になった土を原料としています。

珪藻には、目に見えない沢山の細かい穴が開いています。

珪藻土のなかにもミクロポア、メソポア、マクロポアといった種類があり、それぞれ穴の大きさが異なります。

種類によって用途に適した利用がされており、建材としてだけでなく、七輪やろ過材、食べられることから太平洋戦争中には菓子・食品類の増量剤として使われたこともありました。

室内の塗り壁材として適しているのはメソポア珪藻土。水蒸気や悪臭、有害な揮発性化学物質(VOC)の吸放出に適した穴のサイズとなります。

「調湿」「吸着」をするだけでなく放出を自律的にできるので、半永久的に効果が継続してくれます。

珪藻土そのものでは固まることが出来ないので、糊(のり)やスサ(クラックを防ぐ役割がある繊維材)を加え、水で練ったものを塗り壁材として使用します。

意外と建材としての歴史は、1990年頃からと言われています。

 

それぞれの特徴

漆喰と珪藻土の大きな違いは「自ら固まるか、固まらないか」

珪藻土は水に弱いので主に室内に使用されますが、漆喰は水に強く外壁にも使用できるなどの違いがあります。

 

〇漆喰

抗菌

「pH12以上」という強アルカリ性により、ウイルスや生物が生存できなくなるため抗菌作用があるといわれています。

強アルカリ性ということで安全性が気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、乾いた漆喰の壁の表面は中性化(炭酸化)されており、直接肌に触れても安全です。露出していない部分は時間をかけて、徐々に中性化していきます。

調湿消臭効果

珪藻土と比べると劣りますが、調湿作用もあり、カビやダニなどの発生を抑制するといわれています。

また強アルカリ性のため、生活臭の匂いの元となる成分を分解してくれるといわれています。※臭いの原因とされる物質の多くが酸性物質であるため

耐火性

漆喰は、燃えにくい素材であり、不燃材料として建築基準法の中でも認められています。

また、万が一火事になった際に、化学物質を含まない漆喰は有毒ガスが発生することがなく安全です。

施工性

強アルカリ性で扱いが難しく、乾き方により仕上がりの風合いが変わるため熟練の技術が必要となります。

 

〇珪藻土

調湿・脱臭

調湿力で空気中の余分な湿度や臭いを吸収し、乾燥した時には湿気を放出。

漆喰の数倍の調湿効果をもつといわれ、人間が快適と感じられる湿度を保ちます。

珪藻土は中性なので素材自体に抗ウイルス効果はありませんが、「水溶性」の化学物質の吸収を得意としており、アンモニア臭の脱臭効果など得意とします。

ペットと暮らす、ご家庭にもおすすめの塗り壁になります。

耐火性

1200℃前後の融点を持つ七輪コンロや耐熱レンガに使われるほど耐火性があり、家事の延焼に強い材料といわれています。

漆喰と同じく、糊やスサに化学物質を含まない珪藻土は有毒ガスが発生することがなく安全です。

施工性

中性なので漆喰と比べると、扱いは易しいといわれています。

細かな傷が気になる場合など自分でタッチアップできる製品もあります。

 

 

採用事例と仕上がり

 

漆喰は一般的にツルリとした質感、珪藻土は一般的にザラザラした質感になります。

どちらの素材も和風・洋風どちらの雰囲気にもなじむようご提案いたします。

機能性や、お好みの質感などご相談ください。

 

採用事例

ミナモの家

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参考:sikkui.net

スタッフ ササキ