【こどもクリニックの設計から完成まで】~設計日記-其の18~

一昨年から設計を始め、約1年前より工事を進めてきた桑名市のこどもクリニックもいよいよ建物が完成しました。

先日は内部の養生も外し、「木の」こどもクリニックとしてその温かみのある表情の全てを見ることができるようになりました。

昨日からは、院長先生のご厚意により、お引越しまでの約3週間の間、建物完成の見学会として、一般の方にも見ていただけることになっております。

今回はお子さんのクリニックということで、これから医院を開業されたい方、また木の家を建てたいとお考えの方は参考にしていただけると思いますので、ご興味ある方は、是非お申込みいただければと思います。

 

さて、今回は、このこどもクリニックがどのように設計で進められてきたか、その一部をご紹介していきたいと思います。

 

この医院はこれまで長い間、桑名市の子供たちを診て来られた小児科医院の建て替えの工事になります。

現在の医院の隣に建つ、古い住居を壊して新築し、現在の医院が建っている場所を駐車場として整備する計画としました。

現在の医院は残しながら建築していきますので、工事範囲の区分けと工事工程の細かい調整が必要となります。

初期のゾーニングでは間取りだけでなく、全体の工事の進め方も頭に入れながら検討を重ねました。

 

 

内部のプランについては、受診に来られた方の待合ゾーン、診察室、処置室などの診療ゾーン、そして院長及び

スタッフのゾーンの区分けがはっきりとした構成になっています。またスタッフの方が回遊できるような間取りも特徴です。

 

 

外部デザインについては、全方位から見える敷地を意識して、きれいな真四角で方形屋根が被るデザインとしました。

4方に被る大きな屋根がどこから見ても美しく目を引くものとなっています。

 

 

待合室の内部空間は、屋根の形に合わせた、開放的な吹き抜け空間が広がります。

そして北から東面に設けた木製サッシの大開口からは、手入れされた既存のお庭が見えるようにしました。

木の優しさを感じつつも、すっきりとした気持ちの良い空間を目指して設計しました。

 

矩計(詳細を決める大きな断面図)のスケッチでは木の組み方と見え方、空間の大きさ、納まりを綿密に検討しました。

 

今回の建物の特徴は何と言っても真四角な建物に掛かる方形屋根です。

4方見渡せる敷地ですので、全方位からの建物がどのように見えるかを模型でしっかりと確認しました。

 

このような設計を経て、この度この「木の」こどもクリニックが完成いたしました。

見学会では、建物を見ていただくだけでなく、どのように設計を進めてきたかもご説明させていただきます。

サン工房の設計の進め方にご興味ある方は是非お申込みください。

また今回の建物はOMパッシブエアコンによる全館空調システムも導入しております。

全館空調の快適さをご体感されたい方も是非お申込みください。

 

代表:袴田英保