コラムスタッフブログ
2026/10/16
憧れの書斎は、ご主人だけのもの?
もし、私がこれから家を建てるとしたら。
家を建ててから、10年ほど経ちました。
当時はまだ小さかった子どもたちも、今ではすっかり大きくなり、少しずつ手が離れてきました。
振り返ってみると、家を建てた当時の自分たちと、今の自分たちでは、「家に求めるもの」も少し変わってきたように思います。
当時は、子どもが生まれて借り住まいが手狭になったことや、周囲への音を気にせず暮らしたいことなどが、家を建てる大きな理由でした。
私自身も、まさにそんなタイミングで家を建て、今も満足して暮らしています。
ただ、40歳を前にした今になって思うことがあります。
「もう少し、自分のための場所にお金をかけてもよかったかもしれない。」
そう思う場所のひとつが、「書斎」です。
書斎は、仕事をするためだけの場所?

家を建てるとき、「書斎が欲しい」というご要望はよくあります。
在宅ワークのための仕事部屋。
趣味を楽しむための部屋。
本を読んだり、音楽を聴いたりする場所。
家族みんなで使えるワークスペース。
特に最近は、リモートワークや在宅で仕事をする機会も増え、家の中に「集中できる場所」を求める方も増えています。
一方で、家族みんなで使えるワークスペースにしておけば、子どもが小さいうちは宿題をする場所として使い、子どもが成長した後は別の用途に使うこともできます。
将来の暮らし方まで考えれば、ひとつの部屋を特定の用途だけに固定しない「可変性のある間取り」にすることも、ひとつの方法です。
だからこそ、書斎というと、
「ご主人の仕事部屋」
「家族のワークスペース」
というイメージが強いのかもしれません。
でも、ふと考えてみました。
「奥さんのための書斎って、意外と少ないのでは?」
「自分ひとりの場所」が欲しい

もちろん、リビングでくつろぐこともできます。
キッチンで過ごす時間も、決して嫌いではありません。
趣味を楽しむなら、リビングやダイニングの一角でもいい。
家族と一緒に過ごすことが嫌なわけでもありません。
でも、子どもの手が少しずつ離れてきた今だからこそ、
「たまには、家の中でひとりになりたい」
と思うことがあります。
誰にも邪魔されず、本を読む。
少し集中して勉強する。
仕事のことを考える。
好きなものを眺める。
何かをつくる。
あるいは、何をするでもなく、ただ静かに過ごす。
そんな時間を持つための小さな部屋があったら、きっと暮らしは少し豊かになるのではないでしょうか。
「家族のため」だけではなく、「自分のため」にも
家を建てるとき、どうしても優先順位が「家族中心」になります。
子ども部屋は何帖必要か。
収納は足りるか。
家事がしやすい動線になっているか。
洗濯は楽になるか。
リビングは家族が集まりやすいか。
もちろん、それらはとても大切なことです。
けれど、家族のための場所を一生懸命考える一方で、そこに住む**「自分自身の居場所」**については、後回しになってしまうこともあります。
特に子育て中は、家事や仕事、子どものことが優先され、自分のためだけに使うスペースをつくることに、少し遠慮してしまうのかもしれません。
でも、家は何十年も暮らしていくもの。
子どもが小さい10年間と、その後の20年、30年では、家族の暮らし方は大きく変わります。
だからこそ、
「今必要な部屋」だけではなく、「これから自分がどう暮らしたいか」
まで考えて間取りをつくることが大切なのだと思います。
最近の家づくりで増えている「自分の時間」
最近、家づくりを考えるワーキングママのご要望を聞いていると、「家事がしやすい家」だけではなく、
「自分の時間を持てる家」
を求める声が少しずつ増えているように感じます。
たとえば、
- ひとりで仕事や勉強ができる小さなワークスペース
- 読書や趣味を楽しめる場所
- 家族の気配は感じながら、少し離れて過ごせる場所
- 家事の途中に一息つける小さな居場所
- 将来、子ども部屋が必要なくなった後に自分たちが使える部屋
など。
必ずしも「立派な書斎」である必要はありません。
1~2畳程度の小さな場所でもいい。
窓辺のカウンターでもいい。
障子や格子でゆるやかに仕切った小さなスペースでもいい。
大切なのは、面積ではなく、
「ここは私のための場所」と思えること。
なのかもしれません。
子育ての家から、これからの自分たちの家へ
家を建てるときは、どうしても「今」の暮らしを基準に考えます。
小さな子どもがいるなら、子ども中心の間取りになるのは自然なことです。
でも、家は完成した瞬間がゴールではありません。
10年後、20年後、30年後と、家族の暮らしに合わせて使い方が変わっていきます。
子どもが独立した後には、子ども部屋が必要なくなるかもしれない。
夫婦それぞれが自分の時間を楽しむようになるかもしれない。
仕事を退職した後には、家で過ごす時間が増えるかもしれない。
最近では、子育てを終えた世代が、これからの夫婦の暮らしのために家を建て替えるという選択もあります。
「家族のための家」から、
「これからの自分たちの暮らしを楽しむ家」へ。
家づくりの考え方も、少しずつ変わってきているのかもしれません。
もし、私が今から家を建てるとしたら
もし、私が今からもう一度家を建てるとしたら。
以前よりも、少しだけ「自分のための場所」を大切にしたいと思います。
大きな書斎はいりません。
立派な机もいりません。
ただ、家族の気配を感じながらも、必要なときにはひとりになれる。
本を読んだり、考えごとをしたり、好きなものに囲まれて過ごせる。
そんな小さな場所が欲しい。
そしてそれは、もしかすると「書斎」という名前でなくてもいいのだと思います。
家族のための家の中に、自分自身のための居場所をひとつ。
それだけで、これから先の暮らしは、少し違ったものになるのかもしれません。
家を建てるときは、子どものため、家事のため、家族のため。
もちろん、それも大切です。
でも、これから何十年も暮らす家だからこそ、
「私はこの家で、どんな時間を過ごしたいのか」
ということも、一度考えてみてはいかがでしょうか。