スタッフブログ
2026/07/16
大きなLDKより大切なこと
広さを求める前に考えたい、心地よい暮らしのつくり方

家づくりの打ち合わせで、「LDKはできるだけ広くしたい」というご要望をいただくことがあります。
確かに、広々としたリビングは開放感があり、家族が集まる場所として魅力的に映ります。
住宅雑誌やSNSでも、20帖、25帖、30帖を超える大空間のLDKが数多く紹介されています。
しかし、本当に暮らしの豊かさはLDKの広さで決まるのでしょうか。
私たちは、家づくりで大切なのは単純な広さではなく、「どんな時間が流れるか」だと考えています。
広いことと心地よいことは同じではない

もちろん、ある程度の広さは必要です。
けれど、広ければ広いほど暮らしやすいとは限りません。
広い空間をつくるために収納が不足したり、
庭とのつながりが弱くなったり、
居場所がなくなってしまったりすることもあります。
数字としての広さと、体感としての豊かさは必ずしも一致しないのです。
むしろ、適度な大きさの空間の方が落ち着くという方も少なくありません。
家族が集まる理由は広さではない

家族が自然と集まる家には共通点があります。
それは、広いからではなく居心地が良いことです。
冬の日差しが差し込む窓辺。
庭を眺めながら過ごせるダイニング。
料理をしながら会話ができるキッチン。
そんな場所には、人が自然と集まります。
反対に、どれだけ広くても居場所が感じられない空間は、意外と使われなくなってしまいます。
「居場所」が暮らしを豊かにする

心地よい住まいには、リビング以外にもさまざまな居場所があります。
窓辺のベンチ。
庭に面した広縁。
土間リビングの一角。
書斎の小さな机。
深い軒の下のウッドデッキ。
一人で過ごしたい時もあれば、家族と過ごしたい時もあります。
その時々の気分に合わせて居場所を選べることが、暮らしの豊かさにつながります。
LDKの外にも暮らしは広がる

私たちはよく、「家の面積ではなく、暮らしの広がりを考えましょう」とお話しします。
例えば、庭とつながる大きな窓があれば、視線は外へと抜けていきます。
深い軒の下に広縁やウッドデッキがあれば、暮らしの舞台は庭へと広がります。
すると、実際の帖数以上の開放感や豊かさを感じることができます。
20帖のLDKよりも、
15帖のLDKと庭につながる広縁の方が心地よいこともあるのです。
大切なのは「何を見るか」

同じ広さのリビングでも、感じ方は大きく変わります。
窓の先に緑が見える家。
季節の移ろいを感じられる家。
空が広く見える家。
そんな住まいは、数字以上の広がりを感じさせてくれます。
私たちは、LDKを何帖にするかよりも、その窓から何が見えるのかを大切にしています。
日本の家が大切にしてきたもの

昔の日本の住まいは、今ほど広くありませんでした。
けれど、縁側があり、
庭があり、
障子越しの光がありました。
内と外がゆるやかにつながり、季節を感じながら暮らしていました。
豊かさとは面積ではなく、自然との関わりや時間の過ごし方の中にあったのです。
家づくりで考えたいこと

LDKを広くすることが目的になってしまうと、本当に大切なものを見落としてしまうことがあります。
その場所でどんな時間を過ごしたいのか。
どんな景色を眺めたいのか。
どんな暮らしをしたいのか。
家づくりは、広さを競うことではありません。
暮らしの質を考えることです。
まとめ
大きなLDKは魅力的です。
けれど、それ以上に大切なのは、その空間でどんな暮らしが生まれるかです。
家族が自然と集まること。
一人で落ち着ける場所があること。
庭や季節を感じられること。
暮らしが内と外へ広がっていくこと。
私たちは、帖数の大きさではなく、豊かな時間が流れる住まいをつくりたいと考えています。
LDKの広さを考える前に、どんな暮らしをしたいのか。
そこから家づくりを始めてみませんか。
(ササキ)