2026/10/23
漆喰と無垢床は掃除が大変?
自然素材と暮らす、手入れのしやすい家
「自然素材の家は、手入れが大変そう」
家づくりの相談で、そんな声を聞くことがあります。
無垢の床は傷がつきそう。
板と板の隙間に埃が溜まりそう。
漆喰の壁は汚れたらどうするの?
確かに、自然素材は工業製品のように「いつまでも新品の状態」を保つための素材ではありません。
けれど、適した材料を適した場所に使い、素材の性質を理解して暮らせば、日々のお手入れは意外とシンプルです。
むしろ、時間とともに味わいが増していくことこそ、自然素材の魅力ではないでしょうか。
漆喰は、埃が気になる?
家の中で気になる汚れのひとつが埃です。
埃は空気中を漂い、床だけでなく家具や壁にも付着します。また、静電気によって埃が表面に引き寄せられることもあります。
漆喰などの左官仕上げは、比較的帯電しにくく、静電気による埃の付着が起こりにくい傾向があります。
もちろん、漆喰だから埃が付かないということではありません。室内の湿度や表面の状態、生活環境などによっても変わります。
それでも、家の大きな面積を占める壁だからこそ、「汚れたら掃除する」だけでなく、「汚れが付きにくい素材を選ぶ」という考え方があります。
そして漆喰の魅力は、機能だけではありません。
左官職人の手によって仕上げられた壁には、均一な工業製品にはない、わずかな揺らぎや陰影があります。
光の当たり方によって表情が変わり、時間とともに住まいに馴染んでいきます。
無垢床の隙間に、汚れは溜まらない?
無垢床についても、
「板の隙間に埃が溜まるのでは?」
と心配されることがあります。
木は温度や湿度によって伸縮する素材です。
そのため、無垢床を使うときに大切なのは、単純に「無垢材だから良い」ということではなく、床に適した材料を選ぶことです。
例えば、費用を抑えるために、本来は軒天など別の用途に使う材料を床に転用する。
そうすると、床材として想定されていない材料の寸法や乾燥状態などによって、温度や湿度による収縮が生じた際、隙間が大きくなり、そこに汚れが溜まることも考えられます。
だからこそ、自然素材の家では「何を使うか」だけでなく、どこに、どのような材料を使うのかが重要です。
床には床に適した材料を。
外部には外部に適した材料を。
素材の性質を理解し、適材適所で使うことが、長く快適に暮らすための基本です。
無垢床のお手入れは、案外シンプル
適切な無垢床を選べば、日々のお手入れはそれほど難しくありません。
普段は掃除機やほうきで埃を取り、汚れが気になるときには固く絞った雑巾などで水拭きをする。
基本はそれくらい。
「無垢床だから特別な掃除が必要」というわけではありません。
そして、無垢の木にはもうひとつ大きな魅力があります。
それは、傷も時間とともに馴染んでいくこと。
暮らし始めれば、家具を動かした跡や小さな傷、子どもがつけた傷など、少しずつ生活の跡が増えていきます。
けれど、それらも木の色や艶の変化とともに馴染み、いつしか「傷」ではなく「味」になっていきます。
新品を維持するのではなく、育てていく

ビニールや化粧材などの均一な仕上げは、傷や汚れが目立つことがあります。
一方、無垢の木や漆喰などの自然素材には、一つひとつ異なる表情があり、時間とともに変化していきます。
だから、家を「新築時の状態に保ち続ける」という考え方とは少し違います。
手入れをしながら、少しずつ変化していく。
傷も、色の変化も、暮らしの記憶として残っていく。
「汚れない家」ではなく、「汚れや傷が味わいになる家」。
そんな考え方も、長く暮らす住まいには大切なのではないでしょうか。
自然素材だからこそ、適材適所
自然素材なら何でも良いわけではありません。
床には床に適した木を。
壁には壁に適した仕上げを。
水まわりには水まわりに適した素材を。
素材の特徴を理解し、適材適所で使う。
それができてこそ、自然素材の良さを日々の暮らしの中で楽しむことができます。
掃除やメンテナンスのしやすさも、家づくりの大切な性能のひとつ。
そしてその性能は、設備を増やすことだけではなく、素材を選ぶところから始まっているのです。
長持ちする、味わいが深まる素材選びについて興味のある方はぜひ家づくり相談会へご参加ください!