2026/09/18
木の家に似合う?ルイスポールセンだけじゃない、ジャパンディ好きにおすすめしたい名作照明
ルイスポールセンだけじゃない、ジャパンディ好きにおすすめしたい名作照明

家づくりで「どこにお金をかけるべきか」と考えたとき、まず思い浮かぶのは、躯体や断熱、窓、耐久性の高い素材など、建ててから変えることが難しい部分ではないでしょうか。
もちろん、これらは長く暮らす家にとって、とても大切なものです。
そして、もし少し予算に余裕があるのであれば、ぜひ目を向けてほしいものがあります。
それが、照明です。
照明は、家を建てたあとでも比較的取り入れやすいものですが、空間の印象や夜の過ごし方を大きく変えるもの。
特に、木や漆喰、珪藻土、土壁など、素材の質感を大切にした家では、どんな照明を選ぶかによって、夜の空間の表情がまったく違ってきます。
今回は、ジャパンディや和モダンの住宅で定番ともいえるルイスポールセンをはじめ、木の家にもよく似合う、少しテイストの異なる名作照明をご紹介します。
木の家の定番、ルイスポールセン

PH5、トルボー、VL45、パンテラポータブル。
照明に興味のある方なら、一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
デンマークの照明ブランド、ルイスポールセン。
北欧家具やジャパンディのインテリアとの相性がよく、木の家に合わせる照明としても定番の存在です。
では、なぜ比較的高価でありながら、長く支持されているのでしょうか。
理由のひとつは、流行に左右されにくいデザインにあります。
何十年も前に生まれた照明であっても、今の住宅に自然と馴染む。
さらに、素材や仕上げによっては、使い込むことで少しずつ味わいが増していくものもあります。
照明好きの方にとっては、将来的にヴィンテージとして楽しめることも魅力のひとつでしょう。
もちろん、価格が上がることを目的に照明を選ぶ必要はありませんが、長く使いたいと思えるものを選ぶことも大事です。
家具と同じように、家と一緒に年月を重ねられる照明を選ぶという考え方、将来的に子世代に受け継ぐこともできるような本物を選ぶことが、これからの家づくりには合っているように思います。
優しい灯りが落ち着く、イサム・ノグチ「AKARI」

ルイスポールセンとはまた違った魅力を持つのが、イサム・ノグチの「AKARI」です。
和紙を通した柔らかな光が特徴で、ペンダント、テーブルランプ、フロアランプなど、さまざまなサイズや形があります。
なかでもおすすめしたいのが、比較的小ぶりなフロアランプ。
日本の住宅にも取り入れやすく、和風にも洋風にも合わせやすい照明です。
部屋全体を明るくするのではなく、
「もう少しここに明かりが欲しい」
という場所に置く。
ソファの横や、畳の一角、寝室の片隅などに置けば、空間に柔らかな光が加わります。
夜の家は、昼間と同じように明るくする必要はありません。
必要なところに必要なだけ灯りを置くことで、自然と落ち着いて過ごせる空間になります。
スタイリッシュなデザインも木の家に似合う「FLOS」

木の家に合わせる照明というと、木製や和紙など、温かみのある素材を選びたくなるかもしれません。
しかし、少し無機質でスタイリッシュな照明も、実は木の家によく似合います。
その代表として挙げたいのが、イタリアの照明ブランド「FLOS」。
例えば「2097 LED 18」。
細い金属のアームが広がる、存在感のある照明です。
一見すると、無機質でモダンな印象を受けるかもしれません。
ところが、無垢の木や漆喰、珪藻土、土壁、磁器タイル、石、ガラス、金属など、素材の質感を大切にした空間に置くと、照明だけが浮いてしまうことはありません。
むしろ、異なる素材が組み合わさることで、それぞれの魅力が引き立ちます。
吹抜けのある高い天井から吊るして、ダイニングの中心に置く。
そんな使い方も似合います。
ただし、主役級の照明を選ぶときには、照明そのものだけでなく、室内全体の素材感や空間のバランスが重要です。
良い照明を置けば空間が完成する、というわけではありません。
照明が似合う「器」があってこそ、その存在感が生きてきます。
広いリビングには「複数灯」という考え方

広めのリビングなら、ひとつの大きな照明だけで全体を照らすのではなく、2~3灯ほどを組み合わせる方法もおすすめです。
例えば「TENSE」のペンダントランプ。
モダンな雰囲気を持ちながら、普段の暮らしにも取り入れやすい照明です。
勾配天井のある、ゆったりとしたリビングに数灯吊るすことで、空間のアクセントになります。
「照明=部屋を明るくするもの」と考えるのではなく、
照明そのものをインテリアの一部として考える。
そうすると、照明選びの楽しみも広がります。
ソファのそばに置きたい、レ・クリント「スノードロップ」

リビングで過ごす時間をもう少し心地よくしたいなら、フロアランプもおすすめです。
レ・クリントの「スノードロップ フロア プラスチックシェード」。
シリーズにはテーブルランプもありますが、ここではフロアランプに注目したいと思います。
少し昼光色に近い印象の光ですが、まぶしさが抑えられていて、ソファで読書をしたり、ゆっくり過ごしたりするときにも使いやすい照明です。
大きなシェードなので一見すると存在感がありますが、重心が低く、しっかりとした安定感があります。
部屋の隅に置くだけでも、夜のリビングに新しい居場所が生まれます。
松の木を透かした光が美しい「ヤコブセンランプ」

木の家との相性という意味では、木そのものを通して光を楽しむ照明も魅力的です。
「ヤコブセンランプ」は、松の木を使ったシェードから光が透けることで、独特の温かみを感じさせます。
スウェーデン本国では生産終了となっていますが、日本で復刻され、日本の職人の手仕事によってつくられている照明です。
木から透ける光には、布や金属とはまた違う柔らかさがあります。
落ち着いた空間との相性がよく、実際に「燕居の家」では、ダイニングに2灯使用しています。
木の素材感を生かしながら、夜の食卓を柔らかく照らしてくれます。
華やかさを加えるなら「ファンシェル 11DM ブラス」

最後に、少し華やかな照明もご紹介します。
「ファンシェル 11DM ブラス」。
貝の小片が光を透過しながら反射することで、独特の陰影を生み出す照明です。
本物のシェルが散りばめられた、贅沢な一品。
一見すると、合わせる空間を選びそうにも感じます。
しかし、素材の質感を大切にした空間に取り入れると、華やかさがありながらも、品よく馴染みます。
例えば、ホームパーティーをすることが多い家。
あるいは、キッチンを暮らしの中心として考えた住まい。
造作キッチンと組み合わせて、ダイニングの照明をひとつの見せ場にするのも面白いと思います。
本物の素材が、照明を引き立てる
ここまで、さまざまな照明をご紹介しました。
北欧の定番から、和紙の照明、モダンなデザイン、木を使った照明、そして華やかなシェルの照明まで。
一見すると、木の家には少し合わせにくそうな照明もあります。
けれど、実際にはそうとは限りません。
大切なのは、照明だけを考えるのではなく、照明が置かれる空間そのものをどうつくるかということ。
無垢の木。
漆喰。
珪藻土。
土壁。
磁器タイル。
石。
ガラス。
金属。
そうした本物の素材が使われた空間には、少し華やかな照明を置いても、不思議と馴染みます。
素材そのものが持つ質感や陰影が、照明の存在感を受け止めてくれるからです。
家の「夜」をどう過ごすか

家づくりでは、つい昼間の写真や間取り、日当たりなどに目が向きます。
もちろん、それらも大切です。
でも、家で過ごす時間の中には、照明をつけて過ごす夜の時間もあります。
食事をする。
本を読む。
ソファで話をする。
音楽を聴く。
庭を眺める。
何もせず、ゆっくりする。
そのとき、部屋全体を均一に明るくするのではなく、場所ごとに灯りを分けることで、家の中に小さな居場所が生まれます。
天井の照明だけではなく、ペンダント、テーブルランプ、フロアランプ、間接照明などを組み合わせる。
そうすることで、同じ家でも昼とはまったく違う表情を楽しめます。
家のどこにお金をかけるべきか
家づくりで予算を考えるとき、まずは建ててから変えにくい部分。
躯体、断熱、窓、耐震性、耐久性の高い素材など。
長く暮らすための基本性能にしっかり予算を配分することは、とても大切です。
そのうえで、もし予算に余裕があるなら、照明にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
名作照明は決して安いものではありません。
だからこそ、単に「高い照明を買う」ということではなく、
何年経っても好きでいられるか。
家族の暮らしと一緒に、長く使いたいと思えるか。
そんな視点で選んでみる。
家が完成したときだけではなく、10年後、20年後、さらにその先まで、暮らしの中で使い続けられるものを選ぶ。
それは、家具や道具を選ぶことと同じように、家づくりの楽しみのひとつだと思います。
木の家というと、素朴で温かみのある照明しか似合わないように感じるかもしれません。
けれど、空間を構成する素材が本物であれば、スタイリッシュな照明も、華やかな照明も、意外なほど自然に馴染みます。
家という「暮らしのうつわ」をつくるなら、その中で過ごす夜の時間まで考えてみる。
お気に入りの名作照明をひとつ選ぶことから、家づくりを考えてみるのも面白いかもしれません。
家づくりを考え始めた方へ 是非ご参加ください。