代表ブログ設計作法
2026/09/19
岡崎市にて新築住宅の設計で考えること【アプローチは気持ちの通り道】~木の家設計作法‐其の563~
アプローチとは、外から家の中へと人を導く通路のこと。ですが、単に移動するための物理的な道ではありません。実は、人の心持ちに静かに働きかける「精神的な役割」を担う大切な場所です。
お寺や神社の参道、茶室へと続く露地(ろじ)を思い浮かべてみてください。これらはまさに、日常から非日常へと心を整えていくためのアプローチそのものです。

「一竿風月の家」(大屋根・薪ストーブ) 詳しくはこちら
外と内をゆるやかにつなぐ「間」の設計
アプローチは、外の世界と住まいを結ぶ継ぎ目であり、日本建築でいう「間(ま)」のような存在です。
道路や街並みという「公」の空間から、わが家という極めて「私」的な空間へ。その中間で、時間と気分の切り替えが行われます。
-
家族にとっては:外での緊張を解きほぐし、「家の顔」へと戻るリセットの場
-
訪れるゲストにとっては:人の私的空間へとお邪魔する心の準備を整える場
-
道行く人にとっては:暮らしの佇まいやその家らしさをさりげなく伝えるメッセージ
「曲げる」「ずらす」「止める」で仕掛ける趣の演出
私たちは家の設計において、このアプローチが持つ役割をとても大切に考えています。
まっすぐ玄関へ向かうのではなく、あえて視線を「曲げる」、軸を「ずらす」、一度立ち止まる場所を「止める」といった工夫を凝らすことで、短い距離の中でも奥行きと心のゆとりが生まれます。
ただ通り過ぎるだけではない、住まいの顔としての趣深いアプローチ。家族がホッと整い、お客様を心地よく迎える空間をご提案しています。
サン工房・スタジオ代表:袴田英保

「一竿風月の家」(瓦屋根・現代数寄屋) 詳しくはこちら