西尾市で木の家をお考えの方へ【馴染んで、開いて、閉じて】~木の家設計作法-其の489~
住宅地に家を建てる場合は、その家のことだけを考えて設計するわけにはいきません。
住宅は個人の所有物とはいえ、家々がつくり出す街並みは、いわば共有財産だからです。
したがって、家の外観は周囲との調和を考えなくてはいけません。
かつての日本の街並みというものは、一定の同じ造りであるがゆえに、
全体としてとても綺麗な街並みを形成していました。
金沢や萩の街並みや、白川郷の景色などがその例でしょう。
今の日本の街並みはあまりにも統一性が無いように思います。
それだけ、価値観や情報が多様化し、
今では、向こう三軒両隣のような精神やコミュニティは無くなりつつあると言っていいのかもしれません。
私たちは、今日の「調和」とは、画一的であったり、
統一されたものである必要はないと考えます。
それぞれの好みが反映された外観であっても景観に対して違和感を与えるものでなければ良いと思うのです。
大切なのは、家も地域に「馴染む」ことなのだと考えます。
「童部の家」(街中の家・格子塀がある家) 詳しくはこちら
しかし、家が隣接する場所に建築する場合は、外観的には周囲に馴染みつつも、
プライバシーの確保と、近隣への心配りも重要なテーマとなります。
となり近所に閉鎖的なイメージを与えないように注意しながら、外部からの視線は遮る工夫をし、
または見たい方向には外部に対して開放的にするといった工夫が必要です。
これら「馴染んで、開いて、閉じて」を設計で考慮することで、
街中の住宅地における「周囲との調和」「独立性の確保」を実現させたいと思っています。
サン工房・スタジオ 代表:袴田英保
「駘蕩の家」(格子塀のある家・二階リビングの家) 詳しくはこちら