木造住宅で大事なこと【アプローチのしつらえ】~木の家設計作法-其の471~
アプローチについてはできれば一工夫したいと思います。
なぜなら、そこは内と外をつなぐ場所であり、家に入る前に気持ちを整えたい場所だからです。
具体的には下記のように様々なしつらえ方があると思います。
1.曲げる、止める
アプローチの石の角度を変えて歩く向きを変えたり、門柱や石積みなどで視線を停めたりすることで、変化をつけます。
2.覆う
アプローチを樹木で多い被せるような雰囲気にすることで、より内に入っていくイメージを醸し出します。
3.際をしつらえる
アプローチの縁に低木や草花を植えることで、緑豊かなフレーム効果を生み出します。
また、季節ごとに異なる花を咲かせる植物を選ぶと、常に新しい景観を楽しむことができます。
植物だけでなく石を並べるなども良いかと思います。
「悠結のイエ」(中庭を囲む平屋) 詳しくはこちら
4. 香りで攻める
ラベンダーやローズマリーなど香りのよい植物をアプローチ沿いに上手に植えることで、歩いて入ってくる方がリラックスした気分にさせます。
5.照明を工夫する
地面に照明を埋め込んだり、樹木を照明で照らしたり、夜間のアプローチが魅力的になる工夫をします。
これらの工夫を取り入れることで、アプローチは単なる通路以上の存在となり、訪れる人々にとって魅力的な場となります。
家に入る家族や客人に、良い印象を与えられるようなアプローチのさりげないしつらえをこれからも提案していきたいと思います。
代表:袴田英保
「サン工房建築資料館」