日本の家をつくる【瓦屋根】~ 木の家設計作法-其の370~
街や家の外観を決定付けている重要な要素の一つに、屋根の素材があります。
その中でも古くから日本の街並みを形成してきた瓦の特徴は、和の素材としてのイメージと焼き物としての風合いにあります。
瓦屋根が並ぶ古い街並みなどはとても風情があります。
または、独特の色とデザインは、木という比較的軽い素材でつくられる日本の建築において、建物自体に重量感を醸し出してくれます。
上記でも述べた瓦素材の重さという特徴は、時にデメリットになることもあります。
設計もいおいて、何も検討しなければ、軽い素材の屋根に比べて、地震時に大きく揺れてしまうというデメリットです。
しかし、だからと言って単純に、瓦屋根の家が地震に弱い家ということになるわけではありません。
建築基準法においては、瓦屋根のような重い屋根は、壁量計算において割増しの係数をかけて計算するようになっております。
また、私たちが行っている構造計算(許容応力度計算)においては、瓦の実際の重さをしっかり入力し、必要な耐力壁の量や材の大きさを検討していきますので、
特に瓦だからといって地震に弱い家になるわけではありませんので、ご安心いただければと思います。
瓦の重さは逆に良い場合もあります。
雨音などが、他の素材に比べて反響しにくいという面です。
台風や夕立時など、軽い素材に比べて静かですので、雨天時でも過ごしやすい家になります。
普段雨音などが気になって眠れない方などは、瓦のような屋根の素材のほうが良いかもしれませんね。
このように、以前より「日本の家」の屋根において使われてきた瓦という素材。
現代の日本の家にとっても、古いだけでなく、モダン和風の和の素材として、本当に良い素材だと思います。
そんな「日本の家をつくる」素材の代表選手の瓦を、私たちはこれからも積極的にご提案していきたいと思います。
代表 袴田英保
「雪月花の家」(現代数寄屋の家・瓦の大屋根の家) 詳しくはこちら