代表ブログ
2026/04/16
緊急!これから家を建てる人のためのナフサショック対策
これから家を建てる方にとって、ナフサショック(石油化学製品の原料価格高騰)によるコスト上昇や工期遅延への不安はとても大きいのではと思います。
今起こっている現状はなかなか避けられない事態ではありますが、何か対策を施すことで少しでも様々な負担が軽減や回避できればと思い、今回は私たち工務店や皆さんでできる対策をまとめてみました。
今後の家づくりにとって非常に重要な視点ですので参考にしていただければと思います。
1. 石油由来製品の「代替素材」を検討する。
ナフサ価格の影響を直接受けるプラスチックや合成ゴム系素材を避け、他の石油由来ではない自然素材系の材料に切り替えることでコスト変動や工期遅延のリスクを抑えられる可能性もあります。
- 断熱材の選択:
- 石油系: プラスチック系断熱材(硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム等)は値上がりの影響や納期遅延の影響を受けやすい状況です。すでに40%の値上げが決定している商品もありますし、今後は納期未定の商品も出てくるでしょう。
- 代替案としてグラスウールやロックウール(鉱物由来)、あるいはセルロースファイバー(古紙由来)、木繊維断熱材(シュタイコ)などの非石油系断熱材を検討したほうが良いと思われます。弊社でもセルローズファイバーや木繊維断熱材は通常採用しております。
- 床材・内装材:
- 石油系: 塩ビシート(クッションフロア)やビニール壁紙も値上がりはほぼ確定かと思います。
- 代替案として無垢材のフローリングや、塗り壁(漆喰・珪藻土)、和紙への変更をお勧めします。初期費用は上がりますが、ナフサ価格に左右されにくい素材です。弊社では普段からこのような自然素材を基本的に使っておりますので現状は特に大きな値上がりや納期遅延は無い状況です。
2. 仕様早めの決定と発注
メーカー独自の特殊な部材や特注品は、原材料高騰の影響が反映されやすく、納期遅延のリスクも高まります。
- 汎用性の高い住宅設備の採用: 国内の主要メーカー(LIXIL、TOTO、Panasonic等)のボリュームゾーン(普及価格帯)の商品は、生産ラインが安定しており、急激な価格転嫁が比較的抑えられる傾向にあります。とはいえ今回TOTOやLIXILなどのユニットバスが早々に受注停止になりましたので一概に言えないかもしれません。
- 早期の発注・契約: 金額は契約時の金額を基本的にはベースにしますが、大きな値上がりについては、契約によってはスライド条項と言って、値上がりの分の何割かは施主負担になる場合もありますので、なるべく早めの仕様決定と発注をした方が良いでしょう。
- 部材の最終発注は「契約時」や「着工時」ではなく工務店などの施工者が、納材業者に納品日時を含んだ発注を伝えた時になりますので注意が必要です。いずれにしても設計確定を早め、主要な設備(キッチン、ユニットバス、給湯器)を早期に確保することで、契約後の追加値上げや工期遅延を少しでも防ぐことができるでしょう。
3. 完成後の対策としてエネルギー自給率を高める
ナフサショックは電気代やガス代の長期的な上昇にも直結します。「建てた後のランニングコスト」を抑える設計が最大の防御になります。
- ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準以上の断熱性能: 石油価格に左右されずに室温を維持できるよう、断熱等級を「5以上(ZEH水準)」や「6(HEAT20 G2レベル)」に引き上げることを推奨します。弊社においては断熱等級6以上を基本としております。
- 太陽光発電・蓄電池の導入: エネルギーを自給自足できる仕組みを作ることで、化石燃料由来のエネルギー価格高騰から家計を切り離すことができます。
4. 契約書の「スライド条項」を確認する
工事請負契約を結ぶ際、予期せぬ資材高騰が起きた場合の費用負担について確認が必要です。
- 価格変動の取り決め: 「資材価格の激変により請負金額が不適当となった場合、協議の上で金額を変更できる」といった条項(民間建設工事標準請負契約約款など)が含まれているか確認し、上限設定や協議の方法を事前に担当者と話し合っておくことをお勧めします。
5. 予算における予備費を厚めに確保
ナフサショックのような外部要因は、個人でコントロールできません。
- 通常、予備費は建物価格の3〜5%程度と言われますが、現在は5〜10%程度を見ておくのが安全です。
- 「どうしても譲れないこだわり」と「コストダウンできる項目」の優先順位を明確なリストにしておくと、急な見積もり変更にも冷静に対応できます。
まとめとポイント: > ナフサショックへの対策は、結果として「自然素材を使い、断熱性能を高める」という健康的で長持ちする家づくりと方向性が一致します。できる限りの対策は検討することはとても大事なことかと思いますが、単なるコストカットではなく、住まいの質と価値を高めるチャンスと捉えて少し違った視点から計画を立ててみると良いかもしれません。今後もこの問題に関しては随時皆さんに情報提供をしていきたいと思います。
サン工房・スタジオ代表:袴田英保