岡崎市で木の家を建てる/サン工房・スタジオ【自らの目で確認する】~現場の風景-其の41~
先日、刈谷市で建築中の「悠悠閑閑の家」の構造材が、静岡県磐田市の株式会社スカイさんに入ったので、
長谷川と一緒に確認しに行ってきました。
株式会社スカイさんは、古くから私たちの構造材の加工を行ってくれているプレカット工場の会社ですが、
今回の家は全てを手刻みで行う形ではなく、難しい納まりのところだけを手刻みにし、
伝統技術を使った継ぎ手(木材同士が長手方向に継ぎ足されるところ)や、
仕口(木材同士が直交もしくは斜交して組み合わさるところ)でも、機械でできるところは機械加工で行う
半手加工で行うことにしています。
→株式会社スカイさんのHPはこちら
昨今の木の家づくりは、そのほとんどがスカイさんのようなプレカット工場に材料から加工までを一括して
依頼する会社ほとんどだと思います。なぜならそのほうが楽だし、手間がかからないからです。
しかし、私たちは、そこはこだわって、構造材は岐阜の後藤木材株式会社さん及び有限会社倉地製材所さん、
そして加工は手刻みもしくはスカイさんの半手加工というように分離して行っています。
なぜなら、自分たちの目で確かめた良い材料を、丈夫できれいにつくるためにあえて手間を掛けたいからです。
有限会社倉地製材所さんは~現場の風景-其の40~のブログでご紹介していますのでそちらを御覧ください。
→過去のブログはこちら
さて、今回は、これから構造材を加工する前に、材料が適切なものが入っているかどうかの確認と、
化粧の柱の木をそれぞれどの場所に使うかを決める”木配り”をしてきました。
倉地製材の倉地さん、スカイさんの営業担当の金子さんによっても、すでにしっかりと木配り(気配り)
されていたわけですが、やはり大事な材料ですので、自分たちの目で確認をしてきたわけです。
こちらは、ポーチの桁に使う材料です。
なるべく継ぎ手がないようにしたいという思いから、6m材を使っています。
色艶や、木目がとてもきれいな良材を入れていただきました。
私たちは化粧の梁材については、芯去り材と言って丸太の芯を抜いた材料を使っています。
なぜそのような材料を使うのかは、過去のブログでもお話ししましたが、ここでも再度お話しさせていただきます。
私たちの材料は、事前に自然乾燥と人工乾燥を行っています。
乾燥方法は製材業者さん事前にを話し合いながら、なるべく強度を色艶を保ち、しっかり乾燥できるやり方を決めています。
しかしながら、いくらしっかり乾燥した木材でも、無垢の木材は部位により、建ててから2~3年くらいまでは、
まだ少しずつ乾燥が進み、その過程で表面に割れが入ることも稀ではありません。
そのような乾燥による割れは、これまで行った多くの強度試験の結果により、
一般的には、主に木材の繊維方向に入った割れは、家の強度にはほとんど影響ないとされています。
しかしながら、どうしても表面に割れが入ると心配になられてしまう方が多いのも事実です。
私たちとしましては、「無垢の木は割れる」ということが基本的には問題ないとしていても、
気になることも当然理解できます。
よって、無垢材の特徴のひとつでもある割れに関して、しっかりとご説明しながらも、
少しでも割れが少なくなればという思いで、化粧材においては割れが比較的少ないとされる
「芯去り」という方法で製材された材をこれまで使ってきました。
芯去り材という材は、木材の芯のところを避けて製材する材のことです。
木材の割れは芯のところから放射状に割れが入る性質があります。
そして芯を外して製材すると、そのような割れが入りにくくなります。
上記が私たちは芯去り材という材を化粧の梁桁材において使用している理由です。
このように私たちは、業者さんに任せきりにするのではなく、自分たちの目で確かめ、
こだわりの材を使っていおります。
「悠悠閑閑の家」の上棟は3月です。
良い材で組み上がる姿が今から楽しみです。