岐阜県可児市で木の家をつくる【手刻み加工見学】~現場の風景-其の16~
本日は雨が降る日になってしまいましたが、「行雲流水の家」の建て主さんと各務原市の加工場へ
大工さんの手刻み加工の作業を見学に行きました。
6月初旬の上棟を目指し、大工さんの手刻み加工の作業は現在約4割程度まで進んでいるところです。
昨今、機械(プレカット)による加工技術が進歩し、ほとんどの家が機械での構造材加工をしている中、
「行雲流水の家」については大工さんによる手刻み加工を選択しました。
最近はこのように1本1本大工さんが考えて加工する手刻みができる大工さんは、まさに激減しています。
理由としては大工の人材不足の問題、コストの問題(予算が掛けられない)などいろいろあると思われますが、
かつてはたくさんおられた手刻みができる大工さんも、今や本当に希少な存在となってしまいました。
今回は、そのように、なかなか見れなくなった大工さんの手仕事を是非とも建て主さんに見ていただき
たいと思いお誘い次第です。
板図を描くところから進めてきた手刻み作業を大工さんに説明をしてもらいましたが、建て主の
ご家族の皆さんは、細かく考えられ、丁寧に加工された部材ひとつひとつを見てとても感動されて
いらっしゃいました。
お子さんには実際にかんなで木を削ってもらったり、母屋(梁)材の金輪継ぎという難易度の高い
継ぎ手(梁材をつなぐ場所)を実際に組んでもらったりと、体験もしていただきました。
「金輪継ぎ」
上棟で建ち上がっていく家の姿をみるだけでも感動するものですが、手刻み加工の場合は、その前に
このような大工さんの丁寧な細かい作業によって、一本一本加工されているんだということを知って
いただくことで、建ち上がった時の感動は2倍にも3倍にもなるのではと思います。
これからまだまだ刻み加工は続きますが、私のほうは引き続き段取りをしっかり行っていきたい
と思います。
《追伸》
さっそく、建て主さんのお子さんたちから、本日削ったかんなくずでつくった工作の写真が送られて
きました。お子さんたちにとっては一生の思い出になると思います。