【障子の役割】~木の家設計作法-其の504~
私たちは積極的に障子を用います。
和室などの和の空間はもちろんのこと、時にはリビングやダイニングの窓や部屋間の仕切りの建具にも障子を使います。
なぜなら障子には様々な素晴らしい特性がたくさんあるからです。
皆さんもご理解いただいているかもしれませんが、ここからは障子の良さを再度復習してみましょう。
【障子(しょうじ)の役割や特性】
1.採光と柔らかい光の調整
障子は和紙や合成紙を使っているため、直射日光を和らげながら室内に自然な光を取り入れることができます。
これにより、室内が明るくなりつつも、目に優しい柔らかい光が広がります。
2. 断熱・保温効果
障子は空気の層を作るため、冬は寒さを和らげ、夏は暑さを遮る効果があります。
外部の窓廻りに用いることで、省エネにもつながります。
3.視線の遮断とプライバシー保護
障子の紙は柔らかく光を通すものの、外からはっきりと中の様子が見えないため、プライバシーを守ることができます。
雨戸を設置しない住戸が多い近年では、夜間雨戸やカーテンの代わりに障子を閉めて夜間過ごされる方も増えています。
4.和の空間演出
障子は日本の伝統的な建築に欠かせない要素であり、和の雰囲気を演出する役割を担ってくれます。
5.仕切りとしての機能
障子は木と紙で作られており、ガラス戸と比べて軽く、安全性が高いのも特徴です。
よって部屋の間仕切りとして容易に使うことができ、部屋と部屋を閉め切ったり、開放したりと可変性にも優れた機能も持ち合わせています。
障子は上記の特性から 日本の伝統建築だけではなく、現代の日本の住宅においても重要な役割を果たしています。
今後も私たちは「日本の家」を表現するための大切な要素である障子について積極的に設計に取り込んで行きたいと思います。
サン工房・スタジオ代表:袴田英保
「光を温く家」(建具を工夫した家・柔らかな光が差し込む家) 詳しくはこちら