【間取りではなく「場面」。】~木の家設計作法-其の490~
設計時多くの住まい手が、具体的な部屋の大きさで間取りを希望されます。
確かに機能的な広さは確かに必要ですが、
重要なのは「○帖のリビング」ではなく、
その空間で、いつ、誰が、誰と、何をするか。ということだと思います。
例えば、キッチンおいて、昨今は対面キッチンがいいとおっしゃる方が多いと思いますが、
なぜ対面キッチンが良いのでしょうか。
多くの人は夕飯を作るときに家族と話したい。
またはお皿洗いのときに孤立したくない。などと答えるでしょう。
確かにそれも答えだと思いますが、
もう少し掘り下げて、「場面」で考えるとこうです。
夕食を作りながら、学校から帰ってダイニングテーブルに座って勉強している子供に話しかける。
そして顔を上げた子供の目を見て、「今日は学校どうだった?」と聞く。
そうすると子供は笑顔で、「今日学校で先生に褒められたよ」と話す。
このような何気ない日常の家族との会話や関わりが「場面」です。
そんな場面を思い浮かぶことができるうような、そんな間取りや空間づくりがしたいですね。
サン工房・スタジオ 代表:袴田英保
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