【自然を取り込む】~木の家設計作法-其の538~
基本設計において間取りを考えるとき、必ずイメージしておくことのひとつに、どの部屋、どの場所においても、外の自然をいかに取り込めるかということがあります。
時には縁側のように直接外部に出ることができる中間領域を設けたり、腰窓や吐き出しなどの開口部で庭を見ることもあります。
潤いのある生活にするために、積極的に自然を取り込むことは、日本の家の大事な要素であると考えます。
主な手法
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光を取り込む
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南面の大きな開口、吹き抜けや高窓で柔らかな自然光を導入。
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格子や障子などで直射光を拡散し、陰影を楽しむ。
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風を取り込む
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風向きを考えた窓配置(対角線上に開口を設けるなど)。
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内と外をつなぐ縁側や土間で「風の抜け道」を作る。
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緑を取り込む
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中庭や坪庭で外部と内部の緩やかなつながりを演出。
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窓越しに植栽を計画し、四季を感じる「借景」を取り込む。
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水を取り込む
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池や水盤を設け、反射光や涼感を室内に取り込む。
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雨を楽しむ「しつらえ」(鎖樋などでしずくを見せるデザイン)。
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素材で自然を感じる
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木・石・土・和紙など自然素材を使い、触覚や香りでも自然を感じる。
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経年変化を楽しむ仕上げを選ぶ。
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効果
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季節の移ろいを日常に取り込むことで、心の豊かさが育まれる。
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自然光や通風により省エネで快適な住環境になる。
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居場所ごとに異なる自然との関係性を生み、空間に多様な表情を与える。
自然を取り込むことの大事さについてご理解いただけましたでしょうか。
今後も常に自然を取り込む設計をしっかり意識してご提案をしていきたいと思います。
サン工房・スタジオ 代表:袴田英保

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