【石積みによる庭のしつらえ】~木の家設計作法-其の550~
私たちは庭で石積みをよく施します。
石積みによる庭のしつらえは、日本庭園の美意識と職人技が凝縮された、とても奥深い手法です。
単なる「石の構造物」ではなく、風景をつくり、時間を重ねる庭を実現できます。
石積みの庭がもたらす魅力
1.自然との調和・経年美
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自然石を用いることで、周囲の植栽や建築と違和感なく溶け合います。
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苔や草木がなじみ、年月とともに風合いが出る庭になります。
2.重量感と安心感
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擁壁・土留めとしての機能を持ちながら、圧迫感を抑えた表情をつくれます。
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コンクリートにはない自然物特有の「やわらかい強さ」が魅力です。
3. 職人の手仕事が生む唯一無二性
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石の形・大きさ・表情を読みながら一つひとつ積むため、同じ庭は二つとありません。
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建主の価値観や住まいへの想いが反映されやすいと思います。
4.庭を上手に仕切ってくれる
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アプローチなどに積むことで、ひとの動きや目線を変えさせる境界やアイキャッチの役割をします。
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重量のある石で境界をつくることで、自然と重みと緊張感のある庭ができます。
主な石積みの種類と特徴
● 乱積み(らんづみ)
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自然石の形を活かした不規則な積み方
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野趣があり、里山的・和モダンな庭に最適
● 空積み(からづみ)
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モルタルを使わず、石の重なりだけで積む伝統技法
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水はけがよく、環境負荷が低い
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高度な技術が必要
● 布積み・谷積み
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比較的整った石を用い、安定感と端正さを重視
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建築と庭の一体感を出したい場合に向く
石積みを活かした庭のしつらえ例
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アプローチ脇の石積み土留め
→ 玄関までの期待感を高める演出 -
段庭(だんてい)・ひな壇状の庭
→ 高低差を活かし、奥行きのある外構に -
縁側・ウッドデッキ前の低い石積み
→ 庭との距離をやさしくつなぐ -
石積み+植栽(モミジ・シダ・下草)
→ 半日陰でも美しい景色が生まれる
石積みは、一石一石、一段一段ひとの手によって積み上げられる石積みはつくり手と住まい手の想いを積み上げる
家づくりを象徴するモニュメントのようです。
今後も庭づくりにおいてのポイントとして、石積みを積極的に提案できたらと思います。
サン工房・スタジオ代表:袴田英保
「松樹千年翠の家」(石積みがある家・古建具がある家) 詳しくはこちら



