【玄関は住まい手を表す】~木の家設計作法-其の543~
「玄関は住まい手を表す」
というのは、住まいの“顔”ともいえる玄関が、その家に住む人の価値観や暮らし方、美意識を自然と映し出す、という意味です。
来客からだけでなく、道往くひとにもいつも見られていますので、大事に設計しなければならないと思います。
・第一印象の場所
訪れる人が最初に出会う空間であり、「どんな人が住んでいるのだろう」という印象を決める場所です。
たとえば、靴が整っているか、光の入り方、香り、素材感などが無言で住まい手の性格を伝えます。
・暮らしの“整え方”が現れる
玄関が整っている家は、住む人の暮らしや心の整いが感じられます。
逆に雑然としていると、日常のリズムや余裕のなさが見えてしまうこともあります。
・おもてなしと自分自身の区切り
外と内をつなぐ“結界”としての役割もあり、「外の喧騒から家に入る」瞬間に気持ちを切り替える場でもあります。
花を一輪飾る、木の香りがする、光が柔らかく入る…そうした小さな工夫が、住まい手らしさを醸し出します。
住まいの顔となる玄関について、住まい手自身だけでなく来客に対しても清々しく感じることができるように設計したいと思います。
サン工房・スタジオ代表:袴田英保

「縁園の家」(現代数寄屋の家・薪ストーブがある家」 詳しくはこちら




