【桑名のこどもクリニック上棟】~現場の風景-其の49~
先日、三重県桑名市においてこどもクリニックが上棟しました。
私たちサン工房・スタジオにおいて初の非住宅の建物になります。
既存の医院を続けながら、隣の家屋を解体し、新しくこどもクリニック、内科、アレルギー科として建設していきます。
設計では、現院長さん、そしてその息子さん(新しい院長さん)のご要望を細かくお伺いしながら進めてきました。
やさしい木の雰囲気にしながら、医院としての機能を組み込み、そして主としてこどものお医者さんで起こることを
想定しながら細かいところまで検討をしました。
建物の形は真四角の方形です。軒の出は1メートル35センチ出ていますので大きく綺麗な屋根が特徴です。
内部空間においては待合い室がその大きな屋根の形に沿った吹き抜け空間になっており、
無垢の大きな柱と梁で構成された木の香りのするとても心地良い空間になっております。
また既存の北庭を眺めることができる大きな木製の窓もあり、北側からの優しい光を取り込んでくれます。
さて、台風一過、心配された天気も回復し、気持ち良い快晴の秋空の下、上棟作業が行われました。
今回は社員大工長谷川の手刻みによる材料加工で行われました。
中心の大きな大黒柱から4隅に渡す大きな隅木で支えられている方形ですので、
隅木を噛ます部分の仕口が複雑でとても難しい加工だったと思います。
実際の作業においても微調整しながら組んでいきましたが、特に大きな問題もなくしっかりと見事に組まれたときは私もすごく感動し、長谷川の技術の高さを誇らしく思いました。
そして、現在このような組み方が出来る大工や、このような大工の伝統技術を駆使しなければできないような加工を必要とする建物自体が減ってしまっていることに対し、今回私たちが挑戦できたことは本当に意味のあることだと思うと同時に、私たちに設計施工を依頼してくださったクリニックの院長様、そして新院長様に感謝しなくてはならないと思いました。
「桑名のこどもクリニック」は開業を3月に予定しています。
OMソーラー社のパッシブエアコンも導入し、温熱環境も高いレベルで快適な医院になるようにこれから頑張って作業を進めていきます。
また進捗を報告してまいりますので楽しみにしてください。
代表:袴田英保