【木製造作建具の魅力】~木の家設計作法-其の549~
私たちの設計する「日本の家」の大事なデザインのアイテムのひとつに造作木製建具があります。
一本一本、その家に合わせてデザインし、無垢の木で作られた戸は、デザインのポイントとして、とても良い雰囲気を醸し出してくれます。
造作の木製建具には、既製品にはない魅力がたくさんあります。以下具体的にまとめます。
1. 空間にぴったり合う「美しさ」
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寸法・デザインを空間に合わせて一から作れる
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天井高さや柱・窓とのラインが揃い、統一感のある空間になる
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和風・モダン・北欧・和モダンなど、住まいの世界観を崩さない
2. 木ならではの「質感・温もり」
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本物の木が持つ手触り・香り・経年変化を楽しめる
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ビニールやシート建具にはない、自然素材の安心感
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時が経つほど味わいが増し、「家と一緒に育つ」
3. 自由度の高さ
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引き戸・開き戸・格子・障子風など形状の自由度が高い
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ガラス、和紙、格子、金物などの組み合わせも自在
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収納扉や間仕切りと一体化させることも可能
4. 暮らしに合わせた機能性
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引戸は特に軽くて開閉がスムーズ
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音の響きや視線の抜けなど、暮らし方を考慮した設計ができる
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断熱・調湿など、木の性質を活かせる
5. 修理・調整ができ、長く使える
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傷がついても削る・直す・調整することが可能
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部分交換や建て付け調整がしやすい
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「使い捨て」ではなく住み継ぐ建具
6. 住まいへの“想い”が形になる
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大工・建具職人の手仕事の価値
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住む人の暮らし方や好みが反映され、唯一無二の存在
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家に対する愛着が深まる
注意点(正直なところ)
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既製品よりコストは少し上がる
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納期がかかる場合がある
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湿度管理など、木と付き合う意識は必要
それでも
「人生を愉しむ家」「長く大切に住む家」を考えるなら、造作木製建具はとても良い「日本の家」のアイテムだと思います。
サン工房・スタジオ代表:袴田英保

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