2025.08.16(土)

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【季節を柔軟に捉えた日本文化】~木の家設計作法-其の528~

自然に対して抵抗したり、堅固に身を守ろうとした西洋文化に比べ、日本の文化は、自然に従ったり、柔軟に対応してきました。

特に高温多湿な日本の夏に対して、それは顕著に現れています。

日本の伝統的な建具で簾戸(すど)というものがあります。

ごく簡単に言うと簾(すだれ)をはめ込んだ建具のことで、別に夏障子とも呼ばれています。


「松樹千年翠の家」(夏障子のある家・想いをつなぐ家) 詳しくはこちら

 

衣類の衣替えと同様、六月になると障子や襖(ふすま)のかわりに取り替えて、暮らしを夏向きに整えます。

簾が強い光を遮ってくれるため、室内は涼しく、簾の隙間から入る風はゆるやかに吹き抜け、目にもすがすがしい風情が一層涼しさを感じさせてくれます。

中から外の景色は見えますが、外から室内は見えません。採光と通風を確保し、プライバシーも守ることができます。

 

このように簾戸は、夏の暑さと上手に付き合う知恵と、日本人ならではの情緒を感じる、世界に誇れる日本の伝統文化です。

私たちは今、どちらかというと、季節に対して抵抗する文化になりつつあるのでは?と思います。

確かに夏の暑さは昔と比べ受け入れがたいものになっているかもしれません。

しかしできることなら、軒をしっかり出したり、風の通りを考えた開口を開けたり、

簾戸の文化のように、季節を受け入れることも忘れないで、現代の「日本の家」をつくっていきたいと思っています。

 

サン工房・スタジオ代表 袴田英保

 


「続・歴史が生きる家」(夏障子がある家・世代をつなぐ家)

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