【使用方法その2】~スタッフのひとりごと-其の93~
こんにちは。
少し前に立てられたお家に定期点検に伺った際、
ヒノキが飴色に変化している様子を見て
素敵だな、と思った和出です。
サン工房では様々なところに木材を使用します。
それは構造材だけで無く、床板や建具枠など仕上がったときに見える部分にも使用されます。
建具枠なら建具と合うような木材に、床板なら木の柔らかさ、足の踏み心地、調湿効果を考えるなど、
見た目、感触など様々な要素を感じ、住まわれる方のもっとも気持ち良いと思われるよう木材を使用します。
しかし、今回は、そんな使われ方とは少し違った建築物をご紹介させていただきたいと思います。
こちら、京都市にある古今烏丸というビル。
夏休みシリーズということで、学生時代に撮った写真をまた使用させていただきます。(笑)
四条烏丸の通り沿いにあるこの建物は、
歴史があり、1938年に建てられたビルだそうです。
その後二度の改修工事によって、現在このよう姿になっております。
改修工事の設計者は新国立競技場を設計された隈研吾さんという方です。
この方は、木材を構造材や下地材として建物上の意味ある材として使うのでは無く
純粋に魅せるために使用している印象があります。
ご本人は意匠的には森の枝のようなかたちで木を組み、
京都の町中に森が顔を出してるようなかたちにされたかったとのことですが、
ただ私はそれよりも魅せることに特化した木材の使用方法に衝撃を受けました。
確かに魅せるための木材は多く存在します。例えば柱。
真壁と言われる壁は、大壁という壁と違い、柱が見える壁です。
その他にも以前紹介しました、八掛という建具枠等に使われる仕上方法など。
魅せる為に使われる事はあります。
しかし、純粋に魅せるためだけに使用するといった木材の使い方は殆ど無いのでは無いでしょうか。
だからこそ、その考え方が根本的に違うように思えて、当時この設計者の考えが衝撃的でした。
木材の使い方は多種多様なんだなと教えてもらった気がします。
実用性だけで無く、魅せることも考える事により、建築の幅を広げていくことに繋がるのではないでしょうか。