【使いやすい駐車計画】~木の家設計作法-其の497~
地域によって異なりますが、通勤などに車を使う地域の家においては、
駐車計画は設計において非常に大事な要素になります。
車を停めるための動線と駐車スペースの大きさ、
停めてから家に入るまでの動線とアプローチや玄関との関係性など、
毎日必ず行うこれらの動作がなるべくスムーズにストレスなく行われるように計画しなくてはなりません。
では住まいの駐車計画を考える際のポイントを以下に挙げていきたいと思います。
1.駐車スペースの数とサイズ
・必要な台数の算定: 家族の車の台数や、将来的に増える可能性を考慮します。
・車の大きさサイズの検討: 現在所有している車両のサイズだけでなく、将来的に所有する可能性のある車両も考慮します。
・来客用の駐車スペースの考慮: 来客がある場合の駐車スペースを確保するかどうかも検討します。
2.配置と動線
・駐車のしやすさを考慮: 車庫入れや出庫が簡単か、安全かどうかを検討します。
・玄関との距離: 荷物を運ぶ際や日常の動線が便利になるような配置は大事な要素です。
・道路との接続: 道路からの出入りがしやすい位置に駐車場を配置します。
3.法律や規制の確認
・建築基準法や自治体の規制: 駐車場の位置や必要なスペース、道路の歩車道ブロックの切り下げ距離制限などを確認します。
・道路幅員: 車両を安全に出し入れするための道路幅があるかも確認します。
4.舗装と排水計画
・舗装材: アスファルト、コンクリート、インターロッキングブロックなど、耐久性やデザイン性を考慮します。
・排水対策: 雨水が溜まらないように適切な傾斜や排水設備を設置します。
5.セキュリティと安全性
・照明: 夜間の安全を確保するために駐車場の照明を設置します。
・防犯対策: 防犯カメラや門扉などが必要かどうか考慮します。
・視認性: 道路に出る際に視界を妨げない配置を検討したり鏡の設置などを検討します。
6.景観とデザイン
・住宅との調和: 駐車場のデザインが住宅の外観とマッチするかどうかを考慮します。
・植栽: 視認性を妨げない程度に緑を取り入れて景観をよくする工夫をします。
7.メンテナンス性
・掃除のしやすさ: 落ち葉や汚れがたまりにくい設計を考慮します。
・耐久性: 長期使用に耐えられる材質や構造を検討します。
8.その他の利用可能性
・多用途スペース: できれば駐車場を庭や子どもの遊び場など、他の用途に活用できるように検討します。
・自転車やバイクの置き場: 車だけでなく、他の移動手段の収納スペースも検討します。
これらを総合的に考慮して計画を立てることで、機能的で快適な駐車スペースを実現できます。
私たちは設計初期のゾーニング(全体配置計画)において、建物を配置と駐車スペースをどこに配置するか、から考え始めます。
具体的な条件や希望があれば、それに応じたアドバイスも可能ですので是非お気軽にご相談ください。
サン工房・スタジオ代表:袴田英保
「燕居の家」第一プラン模型