【あるのに使えない】~スタッフのひとりごと-其の89~
こんにちは。
毎日暑いですね。
通勤電車の冷たいクーラーに癒やされている和出(わで)です。
夏場はクーラー以外にも窓から見える深緑にも癒やされます。
私は豊橋に住んでいるのですが、
豊橋→岡崎間で見える山々の深緑はとても癒やされるものです。
皆様も良ければ電車に乗って見てみて下さい。(笑)
さて、話は変わって昨今ウッドショックと言われて久しいですが、
世界中で木材不足が続いております。
日本も例外では無く、外国産の木材はなかなか手に入らない状態となっています。
そこで思い出していただきたいのですが、私が電車で見たように日本には多くの森林があります。
木も沢山あるから日本の木を使えば良いのでは無いか?と思う方もいらっしゃるかと思います。
事実、日本の森林は日本の国土7割にも及び、
日本の面積の3分の2は森林です。
では何故、日本の木を使わないのか。
これは使わないのではなく使えないからです。
戦後、日本は木材の需要がとても高まりました。
しかし、需要に対して供給が追いつかず木材不足が起こり国産材の価格も上がりました。
そのため昭和30年以降、木材の価格高騰や木材不足を解決するため海外の木材を輸入するようになり、
昭和39年には木材輸入の自由化によって国産材より安い外材が多く入ることになります。
その結果、国産材の需要が少なくなり、
現在まで海外の木材がメインで使用されてきました。
また、林業従事者の減少も大きな問題です。
外材を多く使用するようになった結果、国産の林業も衰退していきました。
私の友人が林業の仕事に携わっていましたが、とても大変な仕事で一朝一夕で身につくものでは無く、
また、危険な仕事なので、需要が無いと仕事をしたいと思える方も少なくなってしまうそうです。
現在では多くの森林ができ、国土の3分の2も森林という森林大国にはなりましたが、
木材を扱える林業従事者が減ってしまった結果、自国の木々を扱えなくなってしまい、
現在のような近くにあるのに使えない状態になってしまっております。
そして世界的に流行しているコロナウイルスによって、
外国産の輸入がストップしてしまい、昨今のような木材不足に悩まされているということです。
私たちサン工房では、昔から国産材を使用してきています。
それは高温多湿な気候の日本では腐朽菌が発生しやすく、白蟻などの病害虫も多く見られます。
このような環境の中、森林で何十年、何百年と生き続けている国産材には日本の気候風土に対する耐性が備わっています。
結果として耐久性に優れた木材となり、丈夫で長持ちする家を造れるため国産材を使用しています。
その他にも理由があります。
ニュースでもよく取り上げられる土砂災害などの災害ですが、
木々の間伐など手入れをしなければ起こりやすくなってしまうというデメリットがあります。
木々は年々成長します。
成長するごとに大きく太くなってきますが、
成長しすぎて木々が山を覆ってしまうほどになってしまいますと日光が入らず、
木々の中には腐ってしまうものも出てきてしまいます。
腐ってしまった木々の根は緩くなり、
本来木々の根によって支えられてきた土も緩くなります。
そのため、大雨が起きたときなどに土砂災害などが起こってしまいます。
そのような理由からもサン工房では国産材を使っています。
ウッドショックによって良くも悪くも国産材が使われる流れになってきました。
政府でも国産材自給率50%を目指しているなど、国産材に目を向けています。
私たちサン工房ではこれらの理由から、これからも国産材を使い、
日本の環境が少しでも良くなるようにしていこうと考えております。