【愛着を育む家。】~木の家設計作法-其の500~
性能が良く、丈夫につくっていれば、家は永く住み続けていただけるのか??
それだけではないと思います。
素材や仕様の選定も大事なことではありますが、
一番大事なことは、住まい手が家に対して愛着がもてるどうかだと思います。
ではどうしたら愛着が生まれ育まれるのでしょうか。
「愛着が育まれる家」とは、住む人々が長く快適に過ごし、時間とともにその価値や魅力が深まる住まいを指します。
そのような家を実現するためには、家づくりにおいて以下のポイントが重要だと思います。
1.住まい手との対話を重視した設計
家づくりのプロセスで、住まい手との対話を重ねることが大切です。
これにより、家族のライフスタイルや価値観を反映した住まいが実現し、愛着が深まります。
2.経年変化を楽しめる素材の選択
無垢材や自然素材を使用することで、時間の経過とともに風合いが増し、家族とともに成長する住まいとなります。
例えば、無垢の床や梁は、年月とともに深みのある色合いに変化し、独特の味わいを醸し出します。
3.多様な居場所を持つ空間設計
家全体を大らかなひとつながりの空間としながらも、空間の大きさや天井の高さに強弱をつけることで、
さまざまな心地よい居場所を作り出します。
これにより、家族それぞれが自分の時間を楽しめる空間が生まれます。
4.家族の成長や変化に対応できる柔軟性
家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、間取りや機能を柔軟に変更できる設計が求められます。
これにより、長く住み続ける中での愛着が深まります。
5.メンテナンス性と耐久性の確保
定期的な手入れがしやすく、耐久性の高い素材や工法を選ぶことで、家を大切に使い続ける気持ちが育まれます。
例えば、外壁や屋根材に耐久性の高い素材を選ぶことで、メンテナンスの手間を減らし、長く美しさを保つことができます。
いかがでしょうか。
家づくりにおいてこれらの要素を考慮することで、住まい手が愛着を持ち、長く快適に暮らせる家を実現できるのではと思います。
これから家づくりを進めていかれる方の参考になればと思います。
サン工房・スタジオ代表:袴田英保
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