国産木材を使うべき理由~スタッフのひとりごと-其の168~
家づくりを考える際に、素材の選び方は非常に重要です。
今回は、なぜサン工房スタジオが国産木材にこだわるのか、その理由について詳しくご紹介します。
1.家づくりに国産木材をおすすめする理由
日本は国土の森林面積が約70%という森林大国です。
それに対して木材自給率はまだまだ低く、40.7%(2022年度、林野庁調べ)程度だそうです。
数字に表れているように国産木材は日本の家づくりに適した材料であるにも関わらず、安価な輸入木材に押されあまり活用されてきませんでした。
近年は社会情勢の変化により輸入木材との価格に大差がなくなりつつあり、
一概に国産木材=価格が高いとも言えなくなっています。
ちなみに…
サン工房スタジオで使う柱(120mm角)を1本の木から製材する場合、直径250mmの大きさの桧が必要になります。
そして桧が直径250mm成長するまでに50年(!)かかるといわれています。
現在、全国の森林資源の樹木は、高度成長期に植えられた樹齢50年前後の針葉樹が多く、
建築に適した木材として、まさに使い時なのです!
2. 風土に合う木材とは?
木は生き物です。
伐採され製材されたあとも、空気や気候の変化により動いています。
新築時にだれもいないはずの家から「ピシッ」と音がする
「木鳴り」という現象を聞いたことがあるでしょうか。
これは木材が乾燥・吸湿する際に体積が膨張したり、
収縮することで木材同士がこすれて起こる現象です。
調湿作用が起こる際にみられるあくまで自然な現象ですが、
程度がひどい場合は小さなひび割れ、ねじれにもなります。
日本は北海道と沖縄の気候が異なる様に、四季移り変わりの長さも違えば
木材の育ち方も異なります。
ですから、最も風土に適した近隣地域で育った木を家づくりに使うことは、
理にかなっているとも言えます。
3. 家づくりを通して地元に還元できる
愛知県近隣には東濃桧や美川杉、天竜杉など、有名な木材の産地があり、
それを生業とする林業関係者も多く生活しています。
家づくりに近隣の森林資源を活用することで地元の林業や製材業の雇用創出にもつながります。
また、国内の森林資源を持続的に発展させ守るためには、
「植える→育てる→使う→植える」循環が必要です。
どういうことかというと、針葉樹を密に植えられた森林は、
人の手が入らないと荒れ果ててしまうからです。
荒廃した森林は台風等の被害を受けたり、大雨等によって、土砂災害を起こしやすくなります。
また建築材料として適した「良い木」とは、「節がなくまっすぐ」であること。
ですから伐採や間伐を行い管理する必要があります。
木材を適切に使うことで、将来の子供たちの資源を守ることにもつながります。
4. 環境への配慮
わざわざ遠い国から輸送コストをかけて輸入しなくとも
国産木材を使用することで、輸送にかかるエネルギーを削減し、環境への負荷を軽減できます。
また、国産木材は、森林の適切な管理が行われているため、持続可能な資源利用が可能です。
地元の愛知県の森林資源を活用することで、CO2削減にもつながります。
5. 優れた調湿効果と断熱性能
木材は、優れた調湿効果と断熱性能を持っています。
木材の持つ自然な吸湿性と放湿性により、室内の湿度を適切に保ち、快適な住環境を実現します。
5. 伝統的な建築技術の継承
国産木材を使用することで、伝統的な日本の建築技術を継承することができます。
特に、愛知県内には優れた伝統工法を持つ大工職人が多く存在します。
地元の職人と連携することで、高品質な木造住宅を建てることができます。
まとめ
愛知県内で家を建てる際には、地元の国産木材を積極的に活用することで、
建てた住まいに愛着もわきそうですね。
先日、一般社団法人日本ウッドデザイン協会が主催するウッドデザイン賞に応募しました。
わたしたち工務店が、価格だけではない「国産木材の価値」を伝えることで次世代の家づくりにもつながってゆくといいなと思っています。
過去受賞した実例「松岡こどもクリニック」
https://www.wooddesign.jp/db/production/1940/