【素材】日本の住まいに馴染み深い「畳の魅力」~スタッフのひとりごと-其の158~
日本の住まいにとって馴染み深い「畳」。
その歴史は古く、奈良時代にさかのぼるそうです。
近年では生活様式の変化に伴い、本格的な和室だけでなく
リビングや寝室、客間などに、くつろぐ居場所として採用されることもあります。
畳と一口にいっても種類はさまざまな違いがあります。
ここでは一長一短ある畳の特徴と畳間のある家の実例を紹介します。
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目次
- 畳の構造
- 畳の材料と特徴
- サン工房スタジオでの畳の使用例
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畳の構造
畳は畳床・畳表・畳縁と呼ばれるシンプルなつくりで構成されています。
畳床と呼ばれる土台を芯として、い草を編みこんで織られた「畳表」をかぶせ、端に「畳縁」を縫い付けることで作られます。
使用されている材料によりランクがあり、最高級品は主に茶室や神社仏閣などで採用されています。
畳の材料と特徴
畳床に使用される材料
〇藁床の特徴
昔ながらの畳床、藁床には「稲わら」が使われています。
自然素材を原料としているため土に還り、環境にもやさしい素材です。
他の建材床と比べると重たいことや、生産者の減少に伴い価格の高騰はありますが、天然素材ならではの心地よさ、機能性、耐久性が魅力です。
藁による吸放湿が期待でき、部屋の湿度調整に優れています。
天然の断熱効果があり、しっかりとした足触りです。
畳表の張替えの際に畳職人による修繕が可能であるなど、耐用年数が比較的長い素材です。
〇スタイロ床の特徴
スタイロフォームと言う押出法ポリスチレンフォームを芯材として使った畳床です。
スタイロフォームだけを芯材に使ったものや、稲わら床を重ねたもの、MDFのような板でスタイロフォームをサンドイッチしたものなど種類が豊富です。
断熱性能が高く、虫害の可能性が低いこと、軽いことがメリットとして上げられます。
〇建材床
建材床にもいくつか種類があり、ポリスチレンフォームだけで構成されたものや、インシュレーションボードでポリスチレンフォームを挟み込んだ建材畳床は 断熱性に優れ、水を吸わず軽くて施工性が良いメリットがあります。
ポリスチレンフォームの上下を藁で挟んだものは、 藁床の味わいや吸放湿性がある畳床で、最も普及しています。
畳表に使用される材料
〇イ草
高温多湿の日本の風土に適した素材として、畳に使用されます。
現在、日本に出回っている畳の90%以上が中国産のイ草のものと言われています。
弾力性・断熱性・保温性に優れ、 適度に水分を吸収して乾燥時に吐き出す、湿度調整の機能も併せもっています。
〇七島藺(しちとうい)
国産の七島藺(しちとうい)でつくられる畳は生産農家の減少により、希少価値が高く、高価です。
イ草と比べると、粗く素朴な素材感ですが経年変化も楽しめる素材。
クリーム色から艶のある飴色に変わる様子も美しいです。
へりのない畳、琉球畳に使用されます。
〇和紙を使った畳
和紙畳とは、和紙をこより状に巻いて、樹脂でコーティングして作られた畳のこと。
水に強く、汚れが染みつきにくい、ダニカビの発生がしにくい、床暖房に対応していることや、カラーも様々選べるのがメリットです。
畳縁に使用される材料
畳縁は、畳の長手方向に縫い付けられた布です。
畳の角の部分が擦れてイ草が破れるのを保護するために付けられるものです。
麻・綿・化学繊維などが主な素材で、もっとも高級とされるのは麻縁です。
また、無地の縁のものと柄のある縁のものに分けられ、柄縁には格式の高い紋縁があります。伝統的な和室では柄や色を建物の格式や用途によって選びます。
サン工房スタジオでの畳の実例
食事をとる場所や横になりくつろぐ場所として、また伝統的な和風住宅では親類が集まる場所として、
日本人の暮らしと「畳」は切ってもきれない関係があります。
時代とともに生活様式や畳も変化していますが、畳には床材としてフローリングとは異なる機能性、魅力があります。
あなたも畳間をお家に取り入れてみるのはいかがでしょうか。
サン工房スタジオで畳の使用例も併せてご覧ください。
https://sankouboustudio.com/cms2024/works/%e3%81%ae%e5%ae%b6-2/
https://sankouboustudio.com/cms2024/works/%E5%BD%A9%E9%9B%B2%E3%81%AE%E5%AE%B6/
スタッフ ささき