【景色を借りる】~新米設計士のひとりごと-其の15~
こんにちは。
本日も電車の中から山々の新緑や田畑を眺めながら通勤している和出です。
個人的に夏の田んぼは色も形も綺麗でいつまでも眺めていられる魅力があります。
恐縮ですが、私のような考えを持たれている方もいらっしゃることだと思います。
だからこそ、日本には“借景”が出来たのだと思います。
借景(しゃっけい)とは呼んで字のごとく、
景色を借りること。
山や自然物を背景として取り入れ、
庭と一体化させて景色を造ることです。
日本では昔からその技法を取り入れてきました。
有名な借景式庭園でいうと、
比叡山を背景とした京都の円通寺や修学院離宮があります。
この文化は日本と一部の地域でしか見られないものです。
西洋では、外敵から身を守るために内と外を大きく隔てるような文化がありました。
それだけでなく、寒冷な気候から、壁をしっかりと作り、
寒さの対策もしなければいけないため、借景のような文化は見られませんでした。
だからこそ、日本の温暖な気候や、
外敵からも攻められる心配の無い環境で借景は文化として根付いたのだと思われます。
とても恵まれた環境です。
サン工房スタジオでも周りの景色をなるべく使わせていただく事を考えております。
景色をお借りすることで、庭に遠近感が出来、敷地以上に大きな空間が感じられます。
ありがたいことに景色をお借りすることは無料ですので、
景色を取り入れた設計は積極的に行っていきたいです。