岡崎市の木の家工務店から 大工職人。 ~スタッフのひとりごと-其の16~
おはようございます、先週寒い日が続いたので、今週も寒くなるのかなと高をくくっていましたが、昨日今日と温かい気温でした。天気予報を見ると今週は最高気温が20℃以上になるそうで、今から少しワクワクしております。
今週、岐阜県可児市にある「行雲流水の家」の現場に行ってきたのですが、大工さんが階段を加工してくださっておりました。
とても綺麗に加工してくださっております。
この長くて溝が斜めに入っているものが〝ささら〟という階段部材になります。
側板とも言われますが、階段の横に付いている大きな板のことです。
溝を掘るときにはその下準備として幾つもの切り込み線を入れていき、
その後、のみで削っていくという〝つくり方〟をしておりました。
こうすることによって作業を行いやすくし、且つ綺麗に仕上げられる大工さんの工夫の1つだそうです。
〝のみ〟はこのようなものを使っておりました。
大分使われているのみということは見ての通りだと思いますが、よく研いでおられるので切れ味は抜群です。
包丁のように切れてしまいそうで、持つのも怖いほどでした。
ただ、のみを扱うことにしても、このような技術は口で言うほど簡単な事ではもちろんありません。
このような完成度で作るにはたくさんの修行をしていかなければなりません。
しかし、大工さん曰く、「最近の大工はのみが使えん人多いんよ」と言っておりました。
近年では、このような技術が無くても作れてしまう建物が多くあります。
しかしだからといって、このような大工技術が失われてしまえば作れなくなってしまう建物もまた数多あります。
〝職人〟と言う言葉を調べてみると、自ら身につけた熟練した技術によって、手作業で物を作り出すことを職業とする人、とのことでした。まさにこのような大工職の方々に合う言葉だと感じました。
この職人技術を私たちでどう伝えていくか、この仕事に就いてから毎日考えております。