【設計士のポジション。】~木の家設計作法-其の557~
住宅の設計や施工管理を担当する私たち設計士の立ち位置はどこにあるべきでしょうか。
出会った当初は、まずは建主の思いや家族について、予算など様々な希望や条件を把握する事が大事で、
そのためには十分な対話が必要となり、建主と向かい合うことになります。
しかしそのプロセスを経て、お互いが目指す家についての共通認識を持ち得た後は、
建主に対面するのではなく、横に並んで立ち、設計士が提案やアドバイスをしながら、
お互いが常に同じ方向を見て並走するような形で進めていくことが、いい家づくりの秘訣なのかもしれません。

「星垂る灯の家」(街中の家・二階リビングの家)
具体的には、以下の4つの柱が私たちの考える設計士の立ち位置です。
1. 「暮らしの翻訳者」としての立ち位置
住まい手自身も気づいていない潜在的な要望を汲み取り、それを空間に翻訳することが最大の役割です。
2. 「敷地と対話する」専門家としての立ち位置
ハウスメーカーのような「商品」を土地に当てはめるのではなく、その土地の風の通り道、光の入り方、隣地との関係を読み解きます。
3. 「職人の技を最大化させる」ディレクター
サン工房・スタジオの強みは「大工技術」と「本物の素材」です。設計士は、大工がその腕を振るえるような「見せ場」を作り、ミリ単位の施工図や創作図を書きます。
4. 「100年後の資産を守る」管理者
「作ってからが本当の始まり」という考えに基づき、長期優良住宅や耐震等級3(許容応力度計算)を前提とした、科学的な裏付けのある設計を行います。
以上が具体的な役割です。
これらを踏まえ、ある意味家づくりに関しては住まい手と対等なパートナーとして、良い家づくりに対して情熱を絶やさないコンダクター(指揮者)でありたいと常に思っております。
サン工房スタジオ代表:袴田英保



