【人生を愉しむ家-2】~木の家設計作法-其の549~
これからの人生をまだまだ愉しもうとされている方は趣味や嗜好がはっきりしています。
これまで生きてきた中で、きっと自分の好きなものだけが残ったからでしょう。
設計者としては、まずはその方の嗜好を理解し、なるべく共感するようにしています。
自分にその趣味や嗜好がなくても、その方がなぜそれを好んでいるのかを出来るだけその方の身になったつもりで考えるのです。
そうすることで、何をしたいのか、どのような空間が必要なのかの答えが見えてきます。
~人生を愉しむ家~
住まいを“暮らす器”から“人生を愉しむ舞台”へ引き上げる視点で整理してみます。
趣味嗜好を叶える家づくりとは
単に部屋を増やすことではなく、
「好きな時間を、好きな場所で、無理なく続けられる住まい」をつくることが大事です。
✔ 日常の動線に溶け込んでいる
✔ 家族との距離感も大切にできる
✔ 年齢を重ねても使い続けられる
これが満たされると、趣味は“特別”ではなく“日常”になります。
趣味別・空間づくりの考え方
① 音楽・映画・ゲーム
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防音・吸音+断熱のバランス設計
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地下・半地下、土間、離れ的配置
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配線・機器更新を見据えた可変性
「こもれるけど、孤立しない」配置がポイント。
② 読書・書斎・在宅ワーク
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造作本棚+カウンターで“居場所化”
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家族の気配を感じる半個室
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照明計画で集中力をコントロール
書斎は「部屋」より「居心地」が大事。
③ バイク・車・アウトドア
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ガレージと室内の連続性
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土間収納・メンテナンススペース
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眺められる配置(魅せる趣味)
「しまう」より「愛でる」発想。
④ 料理・お酒・ホームパーティ
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アイランドキッチン+横並びダイニング
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パントリーや酒棚を“見せる収納”に
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屋外(テラス・デッキ)との連動
趣味が家族や友人と共有できる空間に。
⑤ ものづくり・DIY・手仕事
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汚れ・音・匂いを許容する素材選び
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作業台・電源・換気の計画
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将来の用途変更も想定
完璧を求めすぎない“余白”が大切。
設計で大切にしたい3つの視点
①「何が好きか」より「どう過ごしたいか」を大事に
×「趣味は何か?」
〇「休日はどんな時間が一番楽しいか?」
② 趣味空間は“主役”にしすぎない
家族とのバランス、将来の変化を考え
可変性・多用途性を持たせる。
③性能と意匠は趣味を支える土台
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断熱・気密 → 快適さ
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耐震 → 安心して続けられる
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素材 → 経年変化も楽しめる
仕様や性能が良い空間ほど、趣味は長く生かされる。
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