【日本の家と庭】~木の家設計作法-其の529~
小さな日本の家は、庭が無かったらもっと貧弱なものになっていたと思われます。
京都の名庭と結びついた茶室や住宅も、庭園を無くしてしまったら、とても寂しく、みすぼらしくなってしまうと思います。
ましてや私たちの住宅も、庭があって初めてバランスが取れているのだと思います。
庭と一体の日本の家。
日本の家と庭の関係は、建築と自然が調和し、心や暮らしに深い影響を与える大切な要素です。
日本の家と庭の関係:特徴と意味
1.内と外がつながる設計
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縁側や障子、広縁などを介して、室内と庭がゆるやかにつながる。
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窓を開けると風や光、季節の変化を感じられる。
2.庭は「見る」もの
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庭は、単なる外構ではなく、「座敷から眺める絵画」のように設計される。
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借景(周囲の自然を取り込む)や枯山水のような抽象的表現も見られる。
3.自然との調和
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植物や石、水といった自然素材を生かし、人工物を最小限にすることで小さな自然を感じることができる。
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手を加えすぎず、「不完全さ」や「移ろい」を大切にする美意識(わび・さび)を感じる。
4.暮らしへの影響
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庭があることで、心が落ち着き、季節を感じながら生活できる。
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子どもやペットの遊び場、客をもてなす空間としても活用される。
5.四季を取り込む知恵
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春は花見、夏は風を通し、秋は紅葉、冬は雪景色などを見る。
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暮らしの中で自然のサイクルを楽しむことができる。
このように庭には庭をつくることで様々な情景を見ることができたり、季節や自然を感じることができます。
庭はとても大事です。
これからも生活に溶け込みながら、心を豊かにしてくれる庭を設計していきたいと思います。
サン工房・スタジオ代表:袴田英保
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