【心が落ち着く空間づくり】~木の家設計作法-其の522~
人は様々な感覚を通じて、空間から常に様々な情報を受け取っているといえます。
そして1日の大半の時間を過ごしている空間は、心に大きな影響を与えています。
例えば、きれいなものや整頓されているもの、木や植物など自然の美しい風景を見ていると、人はそれだけで気分が良くなり、体の状態も良くなります。
よって、活動した心と身体を休め、癒す空間は、なるべく温かみのある素材でかつシンプルに心落ち着く空間にしつらえなくてはなりません。
ここからは【心が落ち着く空間】とはどのようなものかを考え、今後の設計の参考にしたいと思います。
。以下に「心が落ち着く空間」をつくるためのポイントをいくつかご紹介します:
1. 自然素材の活用
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木、和紙、珪藻土、リネンなどの自然素材は、視覚的にも触感的にも安心感を与えます。
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特に木の香りや手触りは、人の自律神経を安定させる効果があります。
2. 光の取り入れ方
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柔らかい自然光を取り入れる工夫(障子越しの光、間接照明)をすることで、空間がやさしい印象になります。
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強すぎる照明は避け、照度を抑えた温かみのある光を選ぶと落ち着きます。
3. 音の工夫
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静けさが基本ですが、風の音、鳥のさえずり、水のせせらぎといった自然音を取り入れると安心感が生まれます。
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反響音が少ない柔らかな音環境をつくるには、カーペットやカーテンなど吸音性の高い素材も有効です。
4. 整った空間
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物が多すぎないこと、適切に整理された空間は、視覚的ストレスを減らし、心を落ち着けてくれます。
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「見せない収納」や「引き算の美学」を意識すると良いです。
5. 香りの演出
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アロマやお香、木の香りなど、心を安らげる香りを取り入れましょう。
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ラベンダーやヒノキはリラックス効果が高い香りです。
6. 色の選び方
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ベージュ、グレージュ、淡いグリーンやブルーなど、自然に近いトーンの色合いは安心感をもたらします。
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鮮やかすぎる色は刺激となるので、アクセントにとどめると効果的です。
7. 外とのつながり
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窓から見える庭や緑、ベランダの植栽など、「自然との距離感」を意識すると落ち着きやすい空間になります。
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中と外を緩やかにつなげることで、開放感と安心感が同時に得られます。
いかがでしたでしょうか。
心が落ち着く空間づくりは、住まいや仕事場において心身のバランスを保つためにとても大切です。
私たちは様々な空間をしっかりと体験し勉強することで、1件1件において【心が落ち着く空間】をしっかり設計していきたいと思います。