木の家設計作法‐其の15【家づくりのモノサシ】

「快適な住まいのイメージは?」と尋ねられて、明るく開放的な住まいを思い浮かべる人は多いと思います。

つまり、空間は広く、高く、明るくというものです。
事実、天井の高さを例にとると、建築基準法では、「2m10㎝以上」と定められていますが、
実際には基準を30㎝も上回る「2m40㎝以上」が一般的です。これも開放な住まいを志向する風潮の表れです。

確かに広く、高く、明るい空間は気持ちいいものです。心身ともに健やかな暮らしぶりが目に浮かびます。
けれどもその一方で、その空間の使い方や、求めるものによっては、少し狭めであったり、低めであったり、
あるいは閉鎖的な空間であったりするほうが、むしろ感覚的にしっくりくる、というケースも実際あります。
だからこそ、空間の広さや高さ、開口の大きさなどは“当たり前”にとらえるのではなく、
住まい手の心持ちや身体感覚、生活スタイルといった「個々の条件」というモノサシで量るものだと思います。

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住まいづくりに正解というものはなかなかありません。
強いて正解を挙げるとすれば、「住まい手にとって『ちょうどいい』家をつくることなのではないでしょうか。

一般的な“当たり前”にとらわれるのではなく、住まい手の心持ちや身体感覚、生活スタイルといった
「個々の条件」という“モノサシ”で量った「ちょうど良さ」になるように設計できればと思います。

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