愛知県の木造住宅工務店豆知識【襖】~木の家設計作法‐其の137~

襖(フスマ)という呼び方は「伏す」や「臥す」という言葉から発生していて、
襖の字の「奥」は、寝所を意味します。

よって襖は単なる間仕切り建具のひとつというより、
空間の最も奥深くあって、身体を柔らかく包むものというイメージがあります。

また襖を開ける前に声を掛け、正座して引手に手を添え、少し開けてから、静かに引きます。
内部にいる人の気配を感じ取り、その気配によって身支度を正すような生活の美学のような
日本独特の習慣や作法も、襖から生まれていました。

今日はそのような意味合いが薄れた襖ですが、
これまでの使い方やそれによる日本人の習慣をを少しでも理解することで、
少しでも奥が深い建具の設計ができたらいいなと思います。


「一竿風月の家」(現代数寄屋の家・瓦の大屋根の家) 詳しくはこちら