木の家設計作法‐其の12【つなぎ目が生む豊かさ】

日本の住宅の特徴は、室内と室外の間に、縁側や土間、庇下などといった
「つなぎ目」となる中間的領域があることだと言われています。

日本の気候風土が木造の軸組工法を生み、その造りがそれらの中間領域の空間を生み出し、
日本人が好む空間として定着しました。

「好文木の家」(大きな軒の出と綺麗な屋根が特徴の家) 詳しくはこちら

深い庇は強い日射しや、雨から屋内空間を守り、壁面に美しい陰影を作ります。
また土間や縁側は室内と室外を、ある時はつなぎ、ある時はさりげなく遮ります。
さらには、日本人特有の内(うち=家)と外(よそ=他所)との関係性や
コミュニケーションの取り方も、これらの空間によってもたらされたともいえるでしょう。

「木漏れ日の家」(大きな軒の出と縁側が特徴の家) 詳しくはこちら

屋内とも言えるし、屋外とも言える、そんな曖昧な空間は視覚的にも日本の美意識に合っているだけでなく、
ご近所さんとのちょうどいい世間話をする場になるなど、日本人の暮らし方にも適っていたのかもしれません。
日本の家の造りや独特の空間も、日本人特有の美意識や暮らし方も、
そもそもは日本の気候風土に由来していると思います。
住宅の設計にあたって、私たちは、まずこの「日本の家」の生い立ちとその意味を再認識することからはじめています。