愛知県で後悔しない家づくりをしたい方へ【「物語」と呼ばれるもの。】~木の家設計作法‐其の117~

最初に住まい手に要望を書いていただく「物語」と私たちが呼んでいるシートがあります。
それは、住む人がどんな家を望んでいるのか、
どんな想いを託しているのか推しはかるためのヒントを書いていただくアンケート用紙のようなものです。
家に何を望むか、どのような生活をしたいかというような、抽象的な大きな視点のものから、
毎日の生活のこと、将来の家族の成長のこと、希望する設備にことなど細かいことまでたくさん質問させていただきます。

これらは私たちが住まいづくりを考える上で重要な手がかりになると同時に、住まい手のご家族にとっては、
大切な家族の「物語」になるはずです。
なぜなら、ひとつひとつを丁寧に質問し、答えていただくことで、
ご家族自身が家族の将来をあらためて確認し、考えるきっかけになるからです。

ところで、その質問の中に、こんな問いかけがあります。
「特に心に残っているあなたの想い出(想い出の場や時間)はどのようなものですか?
実は私たちが最も大事にしちことのひとつがこの「想い出」です。

友達と隠れた納戸のかくれんぼ、兄弟と夕暮れ時に遊んだ庭、縁側での祖母の膝枕…それら想い出の場面は、
決して特別な日や場所でないことに気づきます。
遠い日のささやかな場所にも目を向け、これからを生きる住まいに生かしていきたい。
過去から綴られてきた「物語」の行間に見え隠れする想いを丁寧にすくい取り、
明日の「物語」としてつないでいくための住まいを住まい手と一緒に紡いでいいたいと思います。


「懐の家」(瓦屋根の家・薪ストーブのある家) 詳しくはこちら