愛知県、岐阜県で木の家の新築するひとへ【いい家をつくるために‐3】~ひとりごと‐其の12~

先日から2回にわたって書いている
「いい家をつくるために、考えなければならないこと」からの抜粋をもう1回。

■《空間の豊かさの価値》
『建ててまだ12年にも満たない家の建て替えを計画したKさんは「勿体なくありませんか」という私の問いに、
「全然そう思いません。性能がいいってことと住みいいってことは全く違うってことを学びました。」と言いました。
物理性能は住宅機能の重要な指標のひとつには違いありませんが、性能がいかに優れていても、それが「空間の豊かさ」
に結びつかなければ、住宅としての根本的な要件を欠くことを知っておく必要があります。「空間の豊かさ」が
感じられてこそ、人は家を建てて良かったと実感し、数千万単位の代価に値する安らぎが得られるのです。』

■《メンテナンスについて》
『メンテナンスフリーが歓迎される時代になりましたが、暮らしの充実感という観点から見ると、見直す必要が
あるように思います。「手入れ」と「味わい」は明らかに表裏の関係にあって、これが「愛着」と密接に結びついています。
手はかからないに越したことはありませんが、家には生活を楽しみながら、適度に手を掛けて育てていく面があります。
手をかけるほどいいというのではありませんが、“手入れ簡単、味わい深く”は無理なことと知るべきです。』

■《美は最大の機能である》
『美しくあることを機能的であることの対極にでもあるかのように考え、「美か機能か」あるいは「美か用か」などと
言ったりします。しかしそのように問うこと自体、私には奇妙なことに思われます。なぜならこのふたつは共存し得る
ものであり、本来、共存していたものだからです。さらには様々にある実用的な機能の中で、「美は最大の機能である」
とすら私には思えるのです。

■《Simplifyということ》
思いっきりシンプルに・・・
本当にいいものを見せるのなら
虚飾は無用
「思いっきりシンプルに・・・」これは我々設計者に常に課せられている課題でもあります。「シンプルに・・・」という
内的要求の前に設計者はいつも真の力量を試されているのです。

いかがでしょうか。
まだまだ、高気密高断熱に対してや、換気についてなど様々な家づくりの考えを高橋修一さんはこの本で述べています。
それらは、私たちサン工房の家づくりにも共通していることも数多く、今回はとても参考になりました。

皆さんも、もし良かったら一度読んでみてください。


「月こよひの家」