愛知県岡崎市の木の家工務店のしごと【岐阜の製材業者さんに材料確認に行きました。】~現場の風景-其の10~

岡崎スタジオの第1棟目となる岐阜県可児市「行雲流水の家」は3月着工します
いよいよ大工さんによる手刻み加工も3月から始まります。
本日は、木材を依頼している後藤木材㈱さんと一緒に、実際に挽いていただく下呂市の有限会社倉地製材所さんへ
材料確認と打合せに行ってまいりました。

倉地製材所さんは昨年の9月にも、見学をさせていただき、このブログでも紹介させていただきました。
倉地社長の製材に対する姿勢や考え方は前回しっかりと確認させていただいておりましたので、
今回は実際使う梁や大引きの芯去りの材料や柱の化粧材を確認するのと、これから用意していただく材料の詳細についての打合せを行いました。


相変わらずいつ行っても工場がとても綺麗です。
この綺麗さは全国でもトップクラスではないかと思います。
これだけで材や品質に対しての姿勢がわかります。


今回納入していただく化粧の芯去りの梁桁材です。
これから中低温で乾燥機にかけるとのことです。
私たちは化粧の梁桁材に芯去り材を使います。
木取りの際に丸太の芯の部分を抜くことで、割れが入りにくくなります。また大径木からしか取れないので、大きな
材(樹齢が大きい材)しか取れません。よって一般的には目が詰まっていて強度が強く、高価な材と言われています。

倉地さんも丸太の芯の部分をしっかり1寸ほど抜いてくれていました。
岐阜県の下呂市、中津川市、郡上市、白川町など岐阜県全般で取れた材料とのことです。
岐阜材は見た目も優しく色はピンク色をしたとても良い材料です。
乾燥については、その色をなるべく殺さないように、高温乾燥ではなく、
中低温乾燥をすることでなるべく色を保つように乾燥してくださるそうです。
上写真はまだ乾燥前の材料で、下の写真の一番下段の材は中低温乾燥をした釜から出した材です。


柱材については、化粧材を背割れがある材料にして中温乾燥材とすることで、なるべくピンク色が残るようにし、
化粧材以外は背割れ無しの材料にすることで、変形を極力ない材料にすることにしました。


床下の土台や大引きの桧材や火打ち梁の桧材もとても良い材料で安心しました。


この写真の真ん中に立つ木は倉地社長が幼稚園の時に植えられた樹齢50年の杉の木だそうです。
今、山にある木は伐採して使ってあげないと次の木が植えられません。木は簡単に育つわけではなく、
この写真のように大きくなるのには50年かかります。しかしこれでもまだ構造材としては使えない木です。

日本の山の資源である木を育てることは、世代を超えた本当に長い年月をかけなければできない事業です。
山が疲弊しやがて木が寿命を迎えた倒れてしまえば、二酸化炭素を吸収することもできなければ、治水もできません。
木は大切な資源というだけでなく、環境や災害に対してもなくてがならない大事な資源です。
私たちができることは本当に微力ではありますが、少しでも日本の木の良さを伝え使ってもらうことです。
今回も倉地社長の杉の木のお話を改めて聞いて、そのような想いのこもったこの素晴らしい材料を使わせて
いただくことに本当に感謝したいと思いました。