【ここの特徴について】~スタッフのひとりごと-其の103~

こんにちは。

突然ですが、皆さん

ここどこだかわかりますか?

 

 

 

そう、京都駅です。

前々から京都駅を紹介したいなと思っていた和出です。

 

現在の京都駅は4代目で1997年に今の形になりました。

施工が大林組、鉄建建設、大鉄工業。

設計は、原広司さんという方。

 

京都駅の設計は、

コンペティション(競技設計)として行われましたが、

当時、多くの有名建築家の案を破り、

この原広司さんの案が採用されました。

 

京都駅について京都の人に聞くと、

全然京都っぽくないよね。等の、京都らしくないという

印象を持たれてる方が多くいますが、

実は、、京都駅は京都の特徴を抑えているんです。

例えば駅のメインフロアである中央のコンコース。

こちらは中央を“谷”に見立て、

東西に大階段を設け山に見立てています。

 

京都が山々に囲まれていることからこの京都駅の中で、

全体を小さな京都に見立てています。

 

また、中央“谷”部分屋根は、

4000枚のガラスが使用されており、

内と外の“境界があるのと同時にない”にもなる

日本の建築を模しています。

 

そして、「京都は歴史への門である」という設計趣旨から

平安京の都市の特徴である

条坊制(碁盤の目)を取り入れています。

(いろんな所に碁盤の目の特徴があるので行かれた際は探してみるのも面白いかもしれません。)

 

玄関口としての象徴である門を

烏丸通と室町通りに配置していることも

駅の中に小さな京都を作り出しているという、特徴があります。

 

ちなみに余談ですが、

京都駅の設計可能条件は高さが120mまでありましたが、

京都の景観の保護を考え、原広司さんは高さ60mまで抑えたそうです。

それでもすごく高いですが。笑

 

そして、

この高さの構造を持たせられるのは、

トラスという骨組みを使っているからです。

 

トラスとは骨組みを三角形に構成した事です。

よく、橋や大きな建物に見られる構造体で、

有名な建物で言うと、東京スカイツリーが挙げられます。

 

単純に説明すると、

三角形にすることで、

形が変形しづらくなります。

 

四角形と対比して考えるとわかりやすいのですが、

例えば地震が来たとき、四角形ですと、

形が平行四辺形に変形してしまいます。

(建築学生が学ぶ構造力学参照)

 

しかし、三角形の場合、

折れたり、外れたり、といったことがない限り、

変形しない(形が固定されている)んです。

 

この事から京都駅では柱や梁がない状態でも、

トラス構造を用いて大きな空間を演出しています。

 

京都駅に寄られた際は、

中央コンコースの構造を見てみるのも面白いかもしれません。